マンガを読むのが大好きな息子。マンガに夢中になるのも悪くはないけれど、親としては活字の本も読んでほしいし、作文などの国語力も身につけてほしい。そこで、マンガを題材にして作文の指導を行い、読書の楽しさを集中的に学べる「国語専科教室」に体験入室。果たして、息子の国語力はアップするか。
ある雨の日の夜のこと。普段は友だちと校庭で遊んでくる小3の息子に「今日はグラウンドが使えなくて残念だったね」と話しかけると、「全然。楽しかったよ〜」との答え。さては体育館で走り回ってきたな、と思えば「読書してきたから」と言うではないか。おお、読書! いったい何を読んできたの? 「友だちの家で、ドラえもんとか」。な、なんだ、マンガか(笑)。
いや、マンガに夢中になるのが悪い訳ではない。でも、親としては活字だけの本も読んでほしいと切に思ってしまう。なにせ社会に出てからも、資料を読んだり作ったり、『読み書き』からは逃れられないのだ。それどころか、その能力の有無で仕事の評価が決まってしまうことすらある。
恐らく、学校の授業で国語を学ぶだけでは、読書や作文が好きになることはないだろう。何を隠そう、自分も読書感想文は大の苦手だったのだ。だから推薦図書を子どもに読ませ、感想文を書かせるだけでは、大して効果は期待できないはず。うーむ、何かわが子が『読み書き』を好きになる、いや、せめて苦手意識をもたずに取り組めるようになる方法はないものだろうか。学校での授業はもちろん、将来も苦労しないためにも。
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そんな折、耳にしたのが国語専科教室。世の中に学習塾はたくさんあるが、国語専門とは珍しい。しかも、受験対策の勉強をするのではないという。それにもかかわらず、いざ受験に臨むと中高の超一流校に合格する子が多いのだとか。 |
小学3年生(スタンダードクラス)の主なカリキュラムは、「コボちゃん作文」「作文王スタンダード」といったオリジナル教材を使う作文の指導と、読書タイムだ。おや、コボちゃんといえば、新聞連載の4コママンガではないか。これ、マンガ好きの息子にはうってつけかも。
入室希望者は体験授業を受けられるので、早速ホームページから申し込む。この教室は大変人気があり、入室待ちの生徒が多数いるのだが、ある日案内をいただき体験授業に出かけてきた。
国語専科教室は首都圏に4教室あるほか、兵庫県西宮市、大分県大分市、高知県高知市に提携教室を設けている。今回出かけたのは渋谷区の恵比寿教室。恵比寿駅から徒歩3分程で着くマンションの一室だ。 |
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「さて、学校で作文ってあるよね。みんな嫌な顔しない?」と藤本先生。
「うん。でも僕は嫌じゃないよ。その分授業がつぶれるから」とわが息子。
先生は苦笑い。私は思わず頭を抱える。
「ここは、作文を学ぶための教室です。まずはマンガを題材にして始めましょうか」
キラリと目を輝かせる息子を見ながら、先生は12枚のカードを取り出した。それは4コママンガのコボちゃんを1コマごとに切り取ったもの。
「このカードを4枚ずつ組み合わせると、3つのお話が出来上がります。さあ、並べ替えてみよう」
お勉強かと思っていたら、まるでゲームのような展開に俄然やる気を出す息子。ブツブツとつぶやきながら、バラバラになっていたカードを整理していく。この作業、絵を照らし合わせれば3つの話に分類するのは比較的容易。でも、1話を完成させるために4コマを順に並べていく段階になると、大人でもあれっ? と迷う部分が出てきたりする。何だか脳トレに挑戦しているみたい。
並べ終えた息子の結果は、3話への分類はOK。でも、そのうちの1話はコマの順序が間違っていた。先生にその場所を指摘されると、「あっ、そうか! 悔しいなあ」ともう一度やりたそうなそぶりを見せる。でも、残念ながらお楽しみはここまで。息子の目の前にまっさらな原稿用紙が用意された。 |
文=瀬川風太郎
(取材日=2010年11月25日)
「この記事レポートは、取材者の現地体験による印象や感想が含まれており、体験者によって印象や感想がそれぞれ異なります」
「この記事内容のいかんにかかわらず、取材先での事故やトラブルの発生を予知することは不可能であり、事故等の責任を一切負うことはできません」
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