【サンティアゴ=御調昌邦】米国など9カ国がチリで開いた環太平洋経済連携協定(TPP)の拡大交渉が17日、実質的な協議を終えた。関税の原則撤廃を目指す方針を確認し、3月にシンガポールで開く次回交渉で協定の草案をまとめることでも合意した。これで日本が求める農産物の例外扱いは認められない公算が大きくなり、農業改革など国内対策を迫られる。
関税撤廃にどこまで踏み込むかが会合の最大の焦点だった。原則撤廃では一致したが、下げ方では各国の見解が分かれたもよう。国内産業に影響を与える「重要品目」を抱えているためで、年内の交渉妥結を後ズレさせて調整に万全を期すことになった。それでも例外扱いは認めない構え。5年や10年など経過期間を設けた段階的撤廃で折り合うとみられる。
日本政府には厳しい内容だ。米産業界からは「TPPの包括的な取り組みを損なう新規の交渉国は受け入れられない」(全米製造業者協会)との意見が出ており、参加のハードルは高まっている。
農林水産省幹部もチリ交渉の結果を受け「最初からコメの例外扱いをお願いするわけにはいくまい」と厳しい認識を示す。ただ政府内には米国や豪州など農業国との協調に望みをかける向きがある。日米豪の連携で例外品目を認めさせようというものだ。「100%自由化は建前。1%は除外できる」との声もある。
9カ国の交渉は急ピッチで進み、日本も国内対策を急ぐ必要がある。海江田万里経済産業相は4月の統一地方選前に農業など改革の基本的な方向を打ち出す必要があると主張する。菅直人首相が判断の期限とした6月より前に何らかの動きを見せないと、9カ国の視界から外れる恐れもある。
TPP、農産物除外、海江田万里、シンガポール、菅直人、チリ、交渉終了、原則撤廃
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