八百長問題解決のため奔走している日本相撲協会の放駒理事長(63)=元大関魁傑=が18日、テレビを見ないようにしていると告白した。ニュースやワイドショーに出演するコメンテーターらの発言に自分の意見が揺らぐことを恐れてのものだという。かたくなに組織改革よりも八百長の調査を優先させる理事長にとっては、テレビの情報が一番怖いのかもしれない。
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やくみつる氏、鳥越俊太郎氏にみのもんた…。連日、朝から晩までテレビでは多数のニュースキャスターやコメンテーターが八百長問題について意見を述べ続けている。放駒理事長は、そうした意見には耳を貸さないようにしていることを明かした。
「なるべく見ないようにしている。皆さんは、もっともなことを言ってくださっているんだと思うんだけど、実は内情と違うなあ、ということもあるから」。番組内容に不満があるわけではない。情報の波にのまれて、自分の意見が左右されることを理事長は恐れているというのだ。
八百長問題発覚後、理事長は一貫して自分の意見を貫いてきた。最近では17日の「ガバナンスの整備に関する独立委員会」から八百長調査と公益法人認定へ向けた組織改革を並行して行うべきだと提案されたが、「この(八百長)問題が起こった以上、タイミングとしてよくない」と、八百長問題究明を優先する意向を示している。
軸足がぶれないのは、その八百長問題についても同じ。17日に横綱白鵬の付け人が聞き取り調査を受け、横綱以下、幕内上位にまで騒動が広がる可能性が出てきても「調査委が話を聞いたということ、それ以上のことは何もありません」。調査委に問題究明を委ねる姿勢を崩さなかった。
週末の19日、20日は自宅で静養する。テレビを遠ざけ、静かな休日を過ごすことになりそうだが「連絡だけは取れるようにしておく」と気が休まる暇はない。さらに、週明け21日には調査委が1週間の調査報告をまとめる会合を開き、22日は協会の決算を審議する理事会がある。問題解決の正念場はまだ先だ。
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