2011年1月5日15時0分
金融庁への登録・届け出を済ませた投資ファンドの販売会社について、証券取引等監視委員会が2009年度以降検査したところ、35社のうち25社で他への資金流用などの法令違反が見つかったことが分かった。同庁への登録・届け出業者であることを投資家が信用してトラブルに巻き込まれるケースも出ている。監視委は不正防止のため、ファンド資金の管理状況を詳しく開示させるなどの法改正を求める意見書を同庁に提出している。
監視委によると、金融庁に登録・届け出を済ませたファンド業者のうち、販売に関する苦情が寄せられるなどした35社を検査し、約7割にあたる25社で資金流用や顧客への虚偽広告などの金融商品取引法違反の事例が見つかった。25社のうち15社については、問題性が大きいとして同法違反での行政処分を行うよう同庁に勧告している。
登録・届け出業者数は現在、約5千に達しており、監視委では、判明した違反事例は「氷山の一角」と見ている。ファンドは、外資系の金融機関や国内の証券会社なども販売しているが、法令違反が見つかったのは国内の中小業者が多いという。
10年9月に同法違反で行政処分を受けた株式会社「ソーシャル・イノベーション」のケースでは、「ベトナムの企業に投資する」などと宣伝し、投資家計132人から約4億8千万円を集めていたが、集めた資金の9割を同社の運転資金や、代表者への貸し付けに流用していたことが監視委の検査で判明。別の無登録業者に投資勧誘をさせていたこともわかった。ソーシャル社は金融庁の登録・届け出業者なので、同庁のホームページにも社名が記載されていた。
金融庁によると、ファンド業者が登録・届け出をする際のチェックは商号、住所や、資本金額が基準を満たしているかなど主に基本的な項目にとどまっているという。同庁関係者は「形式的に問題のある業者は排除できるが、登録後の業務の信用性までは保証できない」と話している。