佑が腹痛ダウン　きょう登板回避　過労ストレスで病院直行

　順調なキャンプを送っていた斎藤が、初めてつまずいた。王子の体に異変が生じていたのだ。

　この日は１、２軍合同の紅白戦のため、チームは名護から２軍がキャンプを張る国頭村へ移動。登板予定がなかった斎藤も国頭村のブルペンで１９球を投げ込んだが、心なしか元気がない。原因は１８日夜から始まった軽い腹痛だった。その場で梨田監督と話し合い、２０日に先発予定だったヤクルト戦（名護）の登板回避が決定。午後のランニングメニューも切り上げ、チーム関係者の車で病院に向かった。

　点滴治療をうけた後、宿舎に戻った斎藤は「練習はできる範囲でと思っていた。腹痛みたいな感じ。大丈夫です」と説明。時折笑顔を交えながら軽症であることを強調した。

　第５クール初日での、プロ初となるリタイア。要因はストレスと過労だった。福島チーフトレーナーが「それほど心配していないが、過労と精神的疲れからくるものでしょう」と話したほか、斎藤自身も医師から「疲れだね」と声を掛けられたという。初体験のプロのキャンプ。環境の変化でただでさえ気疲れするところに、空前のフィーバーも重なった。キャンプ終盤に入って肉体的な疲労もたまり、タフな斎藤の体も悲鳴を上げていた。症状が軽かったことは不幸中の幸いだった。

　スーパールーキーのアクシデントには梨田監督も「明日（ヤクルト戦）は残念だけどない。大事を取るということ」と“先発デビュー”の延期を決断せざるを得なかった。病院から帰った後も「行けるなら行きたい」とヤクルト戦登板を熱望していた斎藤。早大の先輩の青木や田中浩との対戦を楽しみにしていただけに、残念な結果となってしまった。　

　　（臼杵秀之）