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きょうのコラム「時鐘」 2011年2月20日
長寿日本一だった「デカばあちゃん」の後釜に、コビトカバがやってくる。世界三大珍獣の一つが、いしかわ動物園で見られるようになる
デカからコビトへ、カバ舎のあるじが一気に愛らしくなる。昨今の動物園は、かわいい生き物が人気を集めるようで、富山のファミリーパークでは、ニホンリスに回廊付きの立派な個室が与えられる。上野の動物園には、法外な金を払ってまたパンダがやってくる 動物園の主役といえば、ゾウやカバ、キリンなどの大きな生き物だった。その迫力に圧倒された。大きいことはいいことだ、という時代の空気を身にまとうのが、動物園の人気ものだった コビトカバとは、愛くるしい名である。が、人間でもないのに「小人」呼ばわりは、いささか妙である。カバには迷惑な名だろうし、小者と侮るな、と怒っているかもしれない。人間は時に勝手なことをする デカが大往生した折、カバの世界でも高齢化が進んでいると聞いた。どっしり構えてにらみを利かせ、怒らせると手に負えない。そんな連中が敬遠され、動物園からも減っていくとしたら、寂しい限りである。 |