小さなガラスボトルに手紙を入れて、海に放り投げてみる。波と風に流されて、それはいつか見知らぬ誰かの元に届く。その人はボトルから手紙を取りだして読むだろう。「友だちになってください」。運命的な出会いから、2人の交流は始まる――そんな話、「手紙」そのものが時代遅れとみなされる現代では、「馬鹿馬鹿しい」ものに聞こえるかもしれない。しかし「その手の話は映画か漫画のなかだけのもの」と鼻で笑い飛ばす前に、イギリスで話題になったこの2人の話を聞いてほしい。ある女性が30年前海に放った「手紙入りのガラスボトル」、それを受け取ったのが現在の彼氏だったということが判明したというのだ。
イギリスのザ・サン紙によると、女性の名前はマンディ。彼女は13歳のとき、遠足で行ったスコットランドの海から、文通相手を求める手紙を出した。手紙の入ったガラスボトルは2年後、当時6歳だったリチャードの元へ流れ着く。リチャード少年はマンディにポストカードを返したのだが、「年の差」を感じたマンディはそれに返事を書かなかった。
海をこえて本当に手紙が届いた、というだけでも奇跡的なのだが、話はここでは終わらない。それから30年近く経った2010年、部屋の整理をしていたマンディは、1981年に彼女のもとへ届けられたポストカードを発見。それに書かれている姓名が、今の彼氏とまったく同じことに気がついたのだ。まさかと思って確かめてみたところ――彼らは付き合うはるか昔に、すでに「出会って」いたことが判明したのだ。マンディはそのことを知り、「ほとんど気絶した」という。
一方のリチャードは「僕らは運命で結ばれたんだと思うよ。なにより驚きなのが、1981年に『あいをこめて』と書いた相手が今の僕の彼女で、そして今の僕は本当に彼女を『愛している』ってことだよ」と話す。付き合っている相手とこれほど奇跡的な絆で結ばれていたことが判明したのだから、彼らがますます仲むつまじくなったことは間違いないだろう。
【関連サイト】
Missus in a bottle - The Sun 2人の話題を報じた英メディア
(古川仁美)