B747:機首もジャンボサイズ 今秋初公開 千葉・芝山

2011年1月17日 21時33分 更新:1月17日 23時40分

米国から届いたジャンボ機の機首部分=千葉県芝山町の航空科学博物館で、斎川瞳撮影
米国から届いたジャンボ機の機首部分=千葉県芝山町の航空科学博物館で、斎川瞳撮影

 20世紀後半の大量航空輸送時代を担ったジャンボ機(ボーイング747)が、日本の空から消えゆく。世界最多の100機以上を発注した日本航空が3月までに全機を退役させるほか、全日空も国際線での運航を3月で打ち切る。飛行機旅行を身近なものにした「空の主役」の姿をとどめようと、成田国際空港に隣接する航空科学博物館(千葉県芝山町岩山)は今秋、ジャンボ機の機首を国内で初めて公開する。【斎川瞳】

 B747は最大500人以上を運べる2階建ての大型機で、1960年代末から半世紀近く世界最大の旅客機だった。大勢の旅客を一度に運べるため運賃が安くなり、空路の大衆化をもたらした。しかし、今世紀に入って航空会社の経営が厳しさを増すと、燃費が悪いジャンボ機は次々に引退を迫られることになった。

 航空科学博物館で公開されるのは、ボーイング747-200型機。機首部分だけで全長10メートルにもなる。1980年の初飛行以来、シンガポール航空やノースウエスト航空などで約20年活躍し、成田にも飛来した。約10年前から展示を計画し、昨春、米国アリゾナ州で保存されていた機首部分を約2000万円で購入。輸送のため現地で分解し、大型トレーラーや船で約1カ月かけて運んだ。

 今月11日には、操縦席などの主要パーツが届き、公開に向けた準備が始まった。今後、日航の整備士らの協力で半年間かけて組み立て作業を進める。らせん階段や座席、トイレなども同時に輸送され、内装も再現される予定。買い付けに奮闘した主任学芸員の金田彦太郎さん(43)は「旅客便の歴史を大きく変えた機体。機首だけでなく、将来は翼などもそろえていけたら」と話している。

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