2011年1月16日 21時15分 更新:1月17日 0時44分
鹿児島県阿久根市の竹原信一前市長(51)が解職請求(リコール)による住民投票で失職したことに伴う出直し市長選は16日投開票され、リコール団体元監事の新人、西平良将氏(37)=無所属=が、返り咲きを目指した竹原氏=同=を864票差で破り、初当選した。議会を開かずに専決処分を乱発するなど強引さが指摘された「竹原市政」に市民が、住民投票に続いて「ノー」を突き付ける形となった。
08年秋の竹原氏の市長就任から約2年半、2度の市長失職など混乱した阿久根は大きな転機を迎えた。投票率は82.39%で、09年5月の前回選(82.59%)とほぼ同じだった。当日有権者数は1万9715人。
西平氏は16日午後9時20分過ぎ、報道陣の取材に対し「いろんな方に協力してもらいこういう結果を勝ち取りました。感謝です。これから阿久根を作り替えていく責任感を感じます。独善的な市政運営ではだめだ、『対話』を大事にしようと訴え、支持を得られた」と勝利の弁を語った。
西平氏は竹原氏を「独善的で市長の資質がない」と批判。「法律を守り、対話を尽くした手法で、地に足をつけた改革を断行する」などと、市政の正常化を訴えた。
「改革」を掲げて支持を広げた竹原氏に対抗する形で、▽市職員給与を4年間で15%削減▽議員定数(16)の2~6削減--などの行政改革を公約に掲げた。
竹原氏は午後10時すぎ、報道陣に対し「今回の選挙は、竹原対(市)職員組合だった。彼らの力が大きかったということだ」と、対立してきた市職労などへの敵意を改めて示した。専決処分などが「独善的」と批判されたことについては「(今回の選挙結果が、自分の)手法への反対ではないと思っている」と述べた。
阿久根では今後、竹原氏が対立した市議会解散の是非を問う住民投票が31日告示され、2月20日に投開票される。過半数が賛成なら4月24日に出直し市議選となる見通し。【福岡静哉、馬場茂、村尾哲】
確定得票数次の通り。
当 8509 西平 良将=無新<1>
7645 竹原 信一=無前(2)