2011年1月16日 19時22分
枝野幸男官房長官は16日、NHKの番組で、社会保障と税の一体改革に伴う年金改革に関し「全額税方式、社会保険方式という議論を始めるのではなく、どれぐらいお金があれば老後が安心できるか、これぐらいの負担でこれぐらい受け取れると例を示して、国民の合意を得るプロセスを取る」と述べ、複数案を準備して与野党協議に臨む考えを示した。
民主党は全額税負担の最低保障年金創設を主張しているが、社会保険方式を維持しての改革を唱える野党や与謝野馨経済財政担当相と意見が食い違う。枝野氏は「(最低保障以外の)2階部分は保険料でやるし、今の制度も基礎年金の半分は税方式。税金と保険料のバランスをうまく取って理想の形にする点で、与謝野氏と民主党の考えにずれはないし、自民、公明、社民各党とほとんど違いはない」と説明した。
一方、与謝野氏は同番組で「最低保障年金への移行は膨大な時間とお金がかかるが、保険料徴収の手間がかからず、未納問題も解決する。すべての制度に一長一短がある」と述べた。【影山哲也】