新START:露政府が歓迎の意向表明 米上院批准承認

2010年12月23日 20時49分 更新:12月24日 1時46分

 【モスクワ大前仁】米上院が22日に新STARTを批准承認したことについて、ロシア政府は歓迎の意向を表明している。とりわけ対米関係の改善を政権の課題に据えてきたメドベージェフ大統領は、条約発効の見通しが立ったことに安堵(あんど)しているとみられる。

 露大統領府は23日、「大統領は米上院における批准承認を喜んでおり、露上下両院が審議し、承認することを期待する」との声明を発表。ラブロフ外相は「条約は米露だけでなく、国際的な安定と安全保障に有益な効果を与える」と述べた。

 ただし、米上院は批准承認に伴い関連文書を採択しており、グリズロフ露下院議長は、内容に問題がなければ今会期最終日の24日に審議を開く意向を示している。下院は与党系3党が9割近くの議席を占めており、採決すれば24日中の批准承認は確実。一方、露上院は下院の承認を受けて同日中に承認するとみられる。

 08年5月に大統領に就任したメドベージェフ氏は、12年3月の次期大統領選での再選に向け、新条約を政権1期目の具体的成果の一つに位置付けてきた。米上院の条約審議を目前に控えた22日には、訪問先のインドで「オバマ大統領による条約批准の試みが成功することを願う」と発言。米側が批准に失敗すればロシアも批准しない考えをちらつかせ、米側に「早期批准」を迫ってきた。

 ロシアは今回の新条約発効に向けたプロセスで、米国と足並みをそろえて批准する方針にこだわってきた。条約の早期発効を目指す大統領にとっては、米議会の動向次第という状況が続いてきたとも言えるだけに、米上院の批准承認を心から歓迎している。

 ただ露議会は、米上院が今回、批准承認にあたり採択した関連文書の内容次第では批准承認を先延ばしする可能性も出ており、年内の条約発効が実現するかは流動的要素もある。

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