2010年12月23日 20時37分 更新:12月23日 21時37分
秋田市の津谷裕貴弁護士が自宅で警察官到着後に刺殺された事件で、現場にいた妻良子さん(53)らが23日会見し「私が見たことと秋田県警の発表内容が違い不信感を持っている。警察は本当のことを話してほしい」と訴えた。
事件では、警察官が津谷弁護士を取り押さえたすきに、同市の無職、菅原勝男被告(66)=殺人罪などで起訴=が刃物を持ち出し刺した、とされる。県警は、警察官到着時には、津谷弁護士が拳銃を持っており「銃を押さえようとした。やむを得ない行為で、犯人と誤認したわけではない」と発表している。
一方、良子さんらは現場を公開し当時の状況を再現。菅原被告が拳銃を右手に持ち「私と夫が台所で(右)手を持ち上げていた」状況で、警察官が着いたと指摘。邪魔にならぬよう良子さんが離れると、警察官が廊下で津谷弁護士の両脇にいて手を持ち上げており、夫婦は「犯人はあっちだ」「おれは被害者だ」と叫んだ。その直後にドア付近から刃物の刃先が見えたという。
「故津谷裕貴弁護士の会」代表の吉岡和弘弁護士は「警察官はどちらが犯人か(間違えずに)区別できたのではないか。県警は遺族の訴えに、きちんと答えてほしい」と語った。県警は27日の県議会委で内部検討会の結果を報告する。【小林洋子】