河野駐露大使:事実上の更迭へ 情報収集能力を問題視

2010年12月23日 19時11分 更新:12月24日 9時30分

河野雅治駐ロシア大使=2010年11月、石井諭撮影
河野雅治駐ロシア大使=2010年11月、石井諭撮影

 政府は23日、河野雅治駐ロシア大使(62)を退任させ、後任に原田親仁(ちかひと)駐チェコ大使(59)を起用する方針を固めた。11月にロシアのメドベージェフ大統領が北方領土を訪問した際、事前に情報をつかめなかったなど、河野大使の対応を問題視しており、事実上の更迭とみられる。来年1月にも発令する。

 メドベージェフ大統領の北方領土訪問について、外務省や在ロシア大使館は「この時期の訪問はない」という見通しを首相官邸に伝え続けた。だが、見通しとは異なり、大統領は11月1日、ロシアの最高指導者として初めて北方領土の国後島を訪問した。

 官邸側は大使館側の情報収集、情勢分析が不十分だったと判断。加えて、大統領の訪問直後に、河野大使が一時帰国した際の官邸側への説明に批判もあり、対ロシア外交の立て直しが急務となっていた。

 河野氏は1973年に外務省に入り、総合外交政策局長や経済担当の外務審議官などを歴任し、09年2月に大使に就任したばかり。2年足らずでの退任となる。

 後任の原田氏は74年入省で、ロシア課長や欧州局長を歴任したロシア通。08年9月から駐チェコ大使を務めている。【犬飼直幸】

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