参院:選挙制度 西岡議長が比例9ブロックの再編案提示

2010年12月22日 11時35分 更新:12月22日 13時1分

西岡武夫参院議長=阿部義正撮影
西岡武夫参院議長=阿部義正撮影

 参院の選挙制度改革で、西岡武夫参院議長は22日、都道府県単位の選挙区を廃止し、全国を比例9ブロックに再編する改革案を参院各会派に提示した。ブロックごとに、全議員を、政党内で得票が多い順に当選する「非拘束名簿式」で選出する。東京高裁は「1票の格差」が最大5.00倍だった7月の参院選を「違憲状態」とする判断を下しているが、改革案ではこれを1.16倍以下に抑えている。

 参院は今後、改革案をたたき台として各会派で作る選挙制度改革検討会で協議し、来年の通常国会での公職選挙法改正と13年参院選での導入を目指す。西岡議長は「定数削減との両立は至難の業だ」と述べ、格差是正を優先する考えを示した。

 ブロックの内訳を衆院比例ブロックと比べると、人口が少ない中国と四国を一本化して「中国・四国」とし、北信越ブロックはなくなった格好だ。北信越のうち新潟、長野は北関東に編入し「北関東信越」、富山、石川は東海に編入し「中部」、福井は近畿に編入し「関西」となる。埼玉は北関東から南関東に移る。

 定数は現行の242を維持し、9ブロックごとに12~44人を配分する。この結果、1票の格差は議員1人当たりの有権者数が最も少ない北海道を1とした場合、最多の東京が1.153と抜本的に改善される。無所属の個人の立候補については「認めるかどうかは今後検討する」としている。

 民主党の政治改革推進本部は衆院比例と同じ11ブロックとする案を検討してきたが、西岡議長案は区割りを大くくりにすることで、格差をより縮めることができるように配慮したのが特徴だ。

 自民党内では米国の上院をモデルに各都道府県に改選数1ずつを割り振る方式を求める意見が出ている。公明党はブロック制が「議論のたたき台になるだろう」と歓迎。みんなの党は21日、ブロック制を前提に定数を100に減らす案を西岡議長に提出した。【高山祐】

◆9ブロック案の区分け◆

<北海道>北海道

<東北>青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島

<北関東信越>茨城、栃木、群馬、新潟、長野

<南関東>埼玉、千葉、神奈川、山梨

<東京>東京

<中部>富山、石川、岐阜、静岡、愛知、三重

<関西>福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山

<中国・四国>鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知

<九州・沖縄>福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

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