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[政治]ニュース トピック:主張
【主張】政局混迷 たらい回しやめ民意問え
予算関連法案の成立にメドが立たず、政権の行き詰まり感が強まる中で、菅直人首相を支えてきた民主党の有力幹部が、首相退陣による事態打開を検討していた。
公明党幹部に対し、首相退陣と引き換えに関連法案成立への協力を打診したという。
これについて首相は「首を代えたら賛成する、しないという古い政治に戻るつもりはさらさらない」と否定した。
だが、首相支持派からも退陣論が出たことで、首相の政権運営は急速に求心力を失ってゆく事態が予想される。
民主党内で後継者を選び、政権をたらい回しにするようなことだけはあってはならない。ただちに衆院解散・総選挙を行い、民主党政権の継続の是非を国民に問うべきである。
民主党は自公政権下で安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の元首相が約1年ごとに交代し、総選挙を経ずに政権を維持したことを厳しく批判してきた。
それにもかかわらず、政権交代後、鳩山由紀夫前首相が約9カ月で退陣すると、菅氏が選出された。今度、政権をたらい回しにしても、民主党の八方塞がりの状況は変わらない。
ムダ排除を前提としたマニフェスト(政権公約)の財源論は破綻している。米軍普天間飛行場の移設問題で日米関係を弱体化させた責任も大きい。
菅首相は子ども手当などのばらまき政策を基本的にはやめようとしておらず、マニフェストの見直しも9月に先送りする構えだ。
小沢一郎元代表の「政治とカネ」の問題は、党員資格停止処分を打ち出したものの、自浄努力を果たしたとはいえない。
首相が掲げる税と社会保障の一体改革の方向性についても閣内から異論が出ており、4月の社会保障改革案とりまとめは不安視されている。以上の状況は、この政権が統治力をなくしていることを如実に物語っている。
民主党内では、小沢元代表に近い衆院議員16人が首相退陣を求め、会派離脱届を出したほか、原口一博前総務相も近く発売される月刊誌で、首相を公然と批判している。最高指導者として、どうけじめをつけるのか。
失政を覆い隠すために総選挙を先送りし、これ以上、国益を損なってはならない。
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