2009-12-25

クリープパーマのスタンダード技術福岡講習会

12月14日、40名様の参加頂きありがとうございました。
理論・展示講習だけと違って今回から実習講習をしました。
クリープパーマのスタンダードとして確立しつつあるKCPAクリープ技術と、私のクリープ理論の研究の合体した最終結論として良い結果がでました。受講生の成果のレシピを紹介いたします

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★ クリープパーマ 施術処理条件 
1. 左右同一条件で還元 使用薬剤(ホーユー・チオ、還元放置時間左右5分)

2.水洗2分、前処理・中間処理剤なし

3.お湯で濡らした綿布(フキン布)に包み、遠赤外線40度設定の中に5分放置
4.霧吹き冷却(実際には試験なのでわずかの水洗冷却) +10分自然放置

5.二液(臭素酸Na二度づけ7分+7分)

★ 使用器具
   1、 アニオンロッド21mm(スケルトン黄色)  左右同一
   2、 蒸気流入度が高く温度の伝わり条件の良いラクダペーパー(メッシュ)

施術者: Hair Rich -(ヘアーリッチ)明石様

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2006-05-09

ラクトンチオール・スピエラ・酸性カーリング剤(2)

スピエラのテストに入って感じた事は今までの概念でアルカリを使った膨潤にその後の
バッファ効果+酸化で髪が必ず締まるウェーブ形成をするこの感覚のテストカールが通用しないこと。
少しタイムオーバーと思われる時間を置いた方が、求めるウェーブが出るだろうと思う。
しかもウェーブ効率からいってもロッドはチオベースに考えれば使用ロッドは1段2段落とし
ロッド径は少し細めを選択して丁度良いといった感じ、還元プロセスタイムはチオ使用の
想定内の約1.5倍〜2倍程度の時間が、かかると判断した方が適切です。

この還元プロセスタイムに秘密があるようです。
まずこのスピエラはpH4〜pH6範囲でほぼ一線に近いウェーブ効率でカールを形成するのですが
、髪の等電点のpH領域で髪が締まっている状態で何故カール形成できるかという
従来の概念ではあり得ない事が起きてます。
一般的還元剤としては、(チオグリセリンは除外)pHが上がるほどウェーブ効率は高くなりますが、
このスピエラはpH4方向に下がるほどウェーブ効率がわずかですが、高くなります。
おそらく今後、発売されるスピエラのpHが5〜pH5.5範囲に調整されると思います。
スピエラ自体を希釈ベースのpH調整剤に仮に約pH6.5に規定内の2.5%のスピエラを
投入するとpHは約1下がります。こういった調合でpHを想定内で調整されてます。

何故ここまで低いpHでカールを作れるかというと言う話。
2-メルカプト-4-ブタノリドは特許を見るとあまり詳しくは書いてはいないのですが
これに似たタイプの8種類のチオとチオ乳酸のいろいろなタイプがあってこの中で
1つが選ばれたわけですが、これは是非、特許(特開2006-045199)を閲覧してみてください。
まず2-メルカプト-4-ブタノリドはラクトン環と言われる五員環構造にSH基のメカプルト基が
付いたもので分子内の親水性部位と疎水性部位が共存していてこの疎水性部位がキューティクルの層に
なじみが早くこれは疎水性が高い還元剤のチオグリセリン同様に
キューティクルの層からの薬液の進入が早くなるといった現象が起こるらしいです。他の還元剤は
親水性なのでキューティクル表面でキューティクル自体の疎水性に弾かれて薬液進入が
極端に悪くなるのでアルカリ剤が必要になります。
2-メルカプト-4-ブタノリドは両親媒性を持つことで キューティクル層を通り抜けて毛髪内部は
親水性なので親水性部がが今度は働き拡散してSS結合を切ると予想されてます。
まだ仮説らしいですが、低いpHでもカールを作れる事がこういったことではないかと言われてます。

pH6までさげたチオの場合のウェーブ効率は32%、同じpH6で
シスは25%、システアミンで52%
いかに中性領域から酸性領域でウェーブ効率が高いカーリング剤であるかということが言えると思いますSupi001

ラクトンチオール・スピエラ・酸性カーリング剤(1)

スピエラという名称の薬品 : 2-メルカプト-4-ブタノリド
化粧品表示名称:ブチロラクトンチオール
溶解度は水100gに対して9.5gしか溶けない溶解度の低い物質
スピエラのウェーブ効率はキルビー法のカール形成力テストで
pH5で67%というpH9のシスティンの62%のウェーブ効率を
しのぐデーターが公開されてます。

チオグリコール酸換算で2%相当が化粧品として使えるカーリング剤
としてのスピエラの濃度が2.5%。これが使用できるスピエラ濃度です。

使用にあたり水巻きが基本らしい。前処理は基本的に必要ないといった感じ。
かかりに温度も関係して温度の高さもかかりを早くする方法である。
テストカールはやはり軟化度のチェックはできないので独特のテストカールが必要である。
中間水洗は臭いの問題を抱えるスピエラなので水洗が必要。
二液の酸化時間も長めの設定が必要。


写真のテストでは14.5mmと12mmの直径のロッドを使用。
チオpH8を使用時よりも2段階下の径のロッドを使用しました。
ツケ巻きでダメージ部は成和化成のWK-HSIGでわずか前処理。
脂質系油成分は使用せず。16分で中和。
テストカールの概念もないわけではないですが、
時間はしっかり置いて損傷は著しく少ないので忘れた頃に
中和しても丁度良い仕上がりになりました。
ロッド径を意識した方がよさそうな酸性カーリング剤です。
スピエラ2.5%pH5.0を使用 Supi002

2006-02-14

縮毛矯正本当の理論(乾熱180度3秒の理由)

縮毛矯正本当の理論(乾熱180度3秒の理由)
最新の毛髪科学の中から

変性を伴うアイロン高熱矯正と形状記憶パーマの高熱に関してのSS再結合強化の話です。↓

最新の毛髪科学の中からのシスチン・システィン酸量のグラフを見ての考察

※アイロン高熱矯正と通常のパーマの比較

通常のチオグリコール酸アンモニウム(7%pH9)で未処理毛のシスチン量を100として15分還元処理するとシスチン33%の残量で67%が還元されると言う条件下の話。
還元後2液酸化処理する通常のパーマで15分の臭素酸Na7% で酸化処理。その後測定するとシステチンの量が54.4%しか確認できずシスチンの46.6%の結合が減る。
21.4%シスチンとして再結合の状態にしかもどらなかったとうことです。


これに対して還元後に熱処理(180度)した場合にその時点ではシスティン酸量がほとんど増えず酸化されない。システチンだけが還元後に熱によりさらに約4%減るこれはほぼ熱変性としてランチオニンなどに変化するのとさらに混合ジスルフィドもシスティンに変化すると思われる。ただし短時間処理の為に熱変性は少ないと言うことです。現実のは3秒プレスではなく2秒プレスが規定。

上記の条件で還元→180度で熱処理→酸化処理
ここまで処理すると90.7%までシスチンとして再結合する
通常のパーマよりも36.3%も加温条件が加わるとシスチンの再結合がアップする。実に57.7%も再結合を促す事になる。

通常のパーマの場合は21.4%の再結合が行われ、高熱処理が加わった後の酸化の場合は57.7%と言うことは約2.7倍の再結合をするということが記されてました。

アイロンプレスの180度3秒間が加わるだけでなぜ酸化再結合の量が増えるかというと還元状態の混合ジスフィルドとシスティン(CySH)をほとんどCySHに熱で変化させることで酸化の時に再結合率を上げていると記されてます。

ただしシスティン酸は4.3倍に増え、通常のパーマなら3.5倍の増加で収まる。変性をともなうのは確か。
話が前後しますが、通常のパーマで約20%までしかシスティン結合の変化がなくそれを利用してウェーブを出していると昔から言われてます。まさしくその検証例。
(約20%しか還元されていなかったということではなく63%還元され実際には20%しか再結合しなかった。)

実際には矯正は物理的条件も必要で完全矯正の5%過収縮率を含めて伸張またその戻りの収縮させない延ばして固定させることが必要でこれにSS再結合の強化の話のアイロン矯正。これを加熱ロッドによる形状記憶パーマ・デジタルパーマの話になるとこの熱の与え方が問題になってSS再結合の強化の矯正と同じ理屈に合わせて低温で、ある程度水分を抜いて高温で短時間処理といった方法で水分を抜きSS再結合の強化を狙ったと思われます。
実際にはこれだけでなくケラチンペプチド誘導体を使い通常のパーマでウェーブ効率・保持率など60%毛を80%〜85%までアップさせてこのケラチンペプチド誘導体の特性が乾燥や加熱後に定着するようになっています。
問題は矯正のように短時間で加熱処理が終わらない欠点があって
SS再結合の強化が矯正と同じではなく長時間の為に
アイロン矯正よりも変性が進む可能性が高く特に毛先方向に直接熱が当たる為にドライ毛になってしまう現象が起きる。
中間巻きをして最初加温その後に毛先の後巻き方法・毛先にOIL添加・毛先にキトサン誘導体添加などでこの欠点を回避という方法をおこなうわけです。
クリープ期の長時間放置は酸化行程に入る前に再結合率をアップさせる方法で低温処理で少しでも時間を長くおきながらウェーブ効率を上げる処理を加えて行きます。

2005-12-31

2006年の年賀状(1)

2006

2006年の毛髪補修

ヒートケラチンのウェーブ保持率の効果+超耐熱菌酵素還元液+超音波
毛髪補修の今年の最後のトレンドはヒートケラチンと高分子ケラチンのケラテック
この同じ異種ケラチン同士の混合によるよりポテンシャルを持たせる方法が、
来年2006年にはトレンドになると確信します。
ヒートケラチン+γケラトースの混合もかなりのウェーブ効率・保持率
ともに最高にいいです。

単に毛髪補修は外部から欠損した蛋白を補充することけでなく
元々の毛髪をいかに変性をさせない方法で分子再配列を可能に
出来るかが最大の課題。
2006年のキーワードは
「ヒートケラチンのウェーブ保持率の効果+超耐熱菌酵素還元液+超音波」

すでに超音波は美顔器のトレンド、エクステのアイロンも超音波を利用した
メーカー海外一社国内2社から発売中。特許も数社公開中。
矯正アイロンからパーマロッド。量産化までは
まだ長い道のりなのかもしれませんが、矯正アイロンあたりから出始める
ような感じがします。
超音波の直接的に髪への応用は来年からが本格的になるだろう。

2005-11-06

形状記憶パーマ・デジタルパーマのウェーブ効率・保持率

★形状記憶パーマ・デジタルパーマのウェーブ効率・保持率★ ←ここもクリック!!
形状記憶パーマ・デジタルパーマのウェーブ効率・保持率をアップさせる補助剤を新発売しました。

品名;ヒートHP-K(ヒートケラチン)

前処理段階から中間処理のクリープ期の処理まで間にこの毛髪のウェーブ形成時に
特別なウェーブ形成力・ウェーブ保持力を与える熱で高分子化するケラチンです。
ウェーブ効率はケラトースをしのぐとも言われウェーブ保持率に関してはダントツの
試験結果をしめしました。

通常のパーマでウェーブ効率50%〜60%を75%〜85%UP
ウエーブ保持率約75%という熱でケラチンを高分子に重合させて髪の表面をコートします。
濡れたウエーブも乾いたウェーブとのウェーブの大きさの差が少しだけ変化するだけで
大きなカールを維持できます。
形状記憶パーマ・デジタルパーマの機具は直接加熱の機具です。単に熱でパーマ時の還元を
促進するのではなくケラキュートγ(γケラトース)、ヒートHP-K(ヒートケラチン)が
ウェーブ効率・保持率を上げる為に加温をする機具として使用すれば、ダメージやチリ付きドライ毛には絶対になりません。「なぜ形状記憶なのでしょうか?」と言えば形状記憶パーマ・デジタルパーマはウェーブ効率・保持率を加熱と共にこうした熱でウェーブ効率・保持率を上げることのできる毛髪補修剤を
クリープ期に使っていると言うことです。


★☆ クリープ期 ★☆
http://blog.livedoor.jp/oxy3456oxy/archives/2005-05.html
Photo

2005-07-28

ヘアカラーチャート20レベルスケールとの比較

ヘアカラーチャート20レベルスケールとの比較
http://www3.wind.ne.jp/masabi/color/color01.html←クリック

今日、偶然にJHCA の毛束写真をwebから入手できたので作ってみました。
カラーレベル表が20レベル対応になってきたメーカーのレベル表との比較です。
少し手を加えてフォトショップでレベル補正をした後にJHCAの15レベル毛束と
ナンバースリープロアクション、ホーユーのプロマスターの20レベル表の3つのレベルスケールを
フォトショップで平均的な毛束色をCMYK のK(黒)の%をスポイトで拾い明度を測ってみました。
事前にジムニーさん、takaさんの報告から予想をしていたのと、昨日ウエラのサポートさんと
密な会話から予想が当たってました。
僕自身も少し勘違いしていた部分もあって今回は、勉強させられました。
やはり20レベル対応の場合、トーンダウンの時に1レベル当たり6.5%の暗色率を採用する
レベルが、わかると思われます。
15レベルスケールで4から13レベルまでは各レベル10%の暗色率で合わせられたのを
20レベルスケールの場合は約9レベルから15レベルまでが約6.2%を割当てのような感じです。
15レベルスケールで9から13が約+2.5レベル(15.5レベル)追加になったのが、20レベルスケールのみたいです。
JHCAの15レベルのKの%はもう少し低いかもしれません。
JHCAは束の密な所はどう見ても5なのですが、若干明るい感じで7レベルに見える感じもするし
まったそういった報告も上がってます。Kを測定すると黄色の数字も出るの2レベル差を生じる
ような、おかしな仕上がり色です。
お堅い企業、お堅い職場でも従来の7レベル8レベルでもいいじゃないかといった感じに
最低レベルを5としながらも7レベル8レベルにも見える不思議な色です。
3つのレベルスケールを上手く合わせるのは目だけではダメと思い
CMYK のKを吸い出して調べてみました。
ホーユーもJHCA元見本が、手元にないのでレベル補正が曖昧で完璧ではないですが、
何かのお役に立つのではと作って見ました。

2005-06-22

☆形状記憶パーマの物理的理論上、重要な「ロッド巻きのテンション」☆

形状記憶パーマの物理的理論をトロッター係数値から考えると
大きなカールを作る上で必要な事は以前にも書きましたが、
毛髪補修剤添加でウェーブ効率を上げクリープ期のもっとも重要な分子再配列の時間と
薬液処理が必要としながらも髪に乾燥水素結合の再結合と共に
軟化した髪が、大きなロッドに巻き付ける際に強いテンションで巻く事が、
軟化した髪を形状的に楕円方向に形状変化を与え、髪のトロッター係数値を
下げる役割をしているように考えられる。

しかるべき形状記憶と呼ばれる状態は癖毛とも言える固定感さえも考えられると
すると形状記憶パーマの成功率を上げるのは

☆「しっかり髪を軟化させる事」☆

☆「クリープ期の処理を確実にすること」☆

☆「髪のトロッター係数値を下げる為のテンションをかけてロッドを巻く事」☆

物理的変化の重要性は従来のノーテンション巻きの普通パーマと違って
癖毛のような大きなしっかりしたカールを付けるのは癖毛に近い
トロッター係数値の髪を作るというテンションをかけたロッド巻きが必要な複合技術であった

デジパーはテンション巻きが必要。

縮毛矯正(トロッター係数の考察)

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縮毛矯正の技術の中で毛髪診断における重要な判断基準がないなかで、
縮毛の毛髪楕円形状から薬液に対して弱いか強いかの判断やどのくらいの強さの薬液を
使用していいのかわからなくなる場合があるので毛髪の太さをマイクロメーターで丁寧に計りサンプルの
毛髪をどのように判断すべきかの日本人特有の毛髪の基本的な形状の平均的データーをトロッター係数で
考察したいと思います。
図を見ていただければ、おおよその日本人の毛髪形状を知ることができると思います。
太さが太くても短径の直径が、細く薬液浸透が、早い場合がある。
特に細い癖毛と言われる髪は薬液浸透が、かなり早くなるのと、実はトロッター係数が低い髪ほど
縮毛が強いが、より短径の直径が、短くなるために薬液浸透が非常に早く
切れ毛になる率も高くなるということです。
ある程度、太い髪はトロッター係数が低く縮毛が、強くても薬液浸透に耐えることができて
それだけでなく矯正できる毛髪の体積を持ち合わせているのでストレートに形状変化をしっかり
させることができるのですね。
感性や経験頼りでも太さの概念をしっかり知る事と計測器でしっかり毛髪の形状をはかり
どのような薬液が、必要な縮毛矯正であるかを見極めなければならないと思います。

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