おぐに

「おぐに」の町

 小国町は、磐梯朝日国立公園に属する、朝日連峰、飯豊連峰という雄大な山並みに包まれています。原始景観を残すブナの森をはじめ、町全体を覆い尽くすように落葉広葉樹林が広がっています。
 また、小国町は、典型的な日本海側気候の影響を受け、夏は雨が多く、冬には全国有数の豪雪地帯となります。積雪は町中心部でも2メートルを下らず、山間集落では5メートルにも及ぶ所もあります。

 広大な町土、豊かな自然環境、自然と深く関わる独特の生活文化。小国町ではこうした特性を「町の利」としてとらえ、大切に守りながら、有効に活用していきます。

 ブナの森は、木の実、山菜、キノコ類、渓流にすむイワナなど、山の幸、川の幸をはぐくみ、この豊かな自然空間の中には、他には類を見ないたくさんの動物たちが生息しています。さらに、雨や雪解け水を林床を通してたっぶりと蓄え、川へとそそぎ流域一帯を潤します。

 山が多く険しい。雪と雨が多い。都市から離れている。こうした状況は簡単に見れば、本町は人の居住環境としては、恵まれていないと言えるのかもしれません。しかし、このような自然の摂理を人の手で変えていくことは不可能なことです。また、望ましくもありません。決してあきらめではなく、この環境とその中ではぐくまれてきた人々の力を最大限に生かし、その力を継続的に高めていくことが本町のまちづくりの基本姿勢なのです。

 「新しい時代」は、むしろこのような条件を求めています。これまでの経済成長、国土開発の過程で失われてきた自然環境や歴史的遺産の価値が改めて認識されるようになってきています。このため、豊かな自然と共存し、少数の人間で広大な空間を管理している農山村地域に、新たな期待が高まってきているのです。まさに、小国町が昭和40年代から、町の特性を生活・生産・レクリエーションの総合空間として、また、大都市や外国の人々との共存の空間として整備していこうと取り組んできた成果を十分に発揮できる時代になったというわけです。この意味で、「小国の時代」がやってくるということが言えるのです。