任期満了に伴う4月の広島市長選へ無所属で出馬を表明した前副市長豊田麻子氏(44)が19日、広島市内で記者会見を開き、市が進める2020年夏季五輪招致について「ニュートラル(中立)な立場で、24年、28年も視野に入れ市民と議論して判断したい」と述べ、賛否を明言しなかった。
市長に当選した場合、関係者や市民による検討委員会を立ち上げ判断するとしている。
秋葉忠利市長の市政は「平和市長会議の加盟都市は10倍程度に増えた」と評価し、平和活動を継承する方針を表明。一方、経済振興では改革が必要とし、「中小企業を応援したい。アジアや新興国への販路拡大など新ビジネスの戦略チームをつくりたい」と述べた。
豊田氏には民主党広島県連が水面下で出馬を打診したほか、市民団体が出馬を要請。連合広島が支援を決めている。
豊田氏は東京都出身。1990年に旧郵政省に入省。総務省総合通信基盤局、独立行政法人情報通信研究機構を経て、08年7月に広島市で初の女性副市長に就任した。
市長選にはほかに、自民党広島県連が出馬要請した元厚生労働省官僚の松井一実氏(58)ら無所属新人5人も立候補する予定。