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“氷の皇帝”ヒョードル引退

2011年02月19日
スポーツ

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【米国・ニュージャージー州イーストラザフォード12日(日本時間13日)発】当地のIZODセンターでストライクフォース(SF)「ヒョードル対シウバ」戦が行われ“氷の皇帝”エメリヤーエンコ・ヒョードル(34)は、アントニオ・シウバ(31)に2R終了TKOで敗れ「SFワールドGPヘビー級トーナメント」初戦で姿を消した。顔面に大ダメージを負ったヒョードルは試合後、引退を電撃表明。世界の頂点を極めた男の突然の決断に、格闘界は衝撃に包まれた。
シウバ戦で顔面崩壊のTKO負け
 その瞬間は突然、訪れた。シウバの猛打に顔面の右半分が崩壊してしまったヒョードルは「もう去る時が来たのかもしれない。もしかしたらこれが最後。自分の時が終わったのかもしれない。これまでありがとう」と宣言。1万1287人で埋まった会場は騒然、悲鳴に似た声が上がる。だが失意の皇帝は感慨にふけることなく、クルリと金網に背を向けた。
 まさかの惨敗だった。昨年6月ファブリシオ・ヴェウドゥムに敗れ、9年半ぶりの黒星を喫したヒョードルは、再起をかけてシウバとの一戦に臨んだ。体格差は一目瞭然だった。身長で12センチ、体重で16キロ劣る。それでもスタンドの打撃主体で攻め込み、上々の滑り出しを見せた。
 だが2R開始直後、右パンチを打ちにいったヒョードルは突進してきたシウバに倒される。マウントを奪われ、防戦一方だ。首を左右に振って抵抗するものの、巨大な拳が何発も突き刺さる。嫌がるヒョードルはピンチのたびに背を向け、その場を逃れようとした。だが再びマウントになると左手で首根っこをつかまれ、動きを封じられる。顔面に右の連打を浴びると、鮮血が飛び散った。
 レフェリーがいつ試合を止めてもおかしくない状況の中、残り15秒でアキレス腱固めを仕掛けたものの、タイムアップ。インターバルの間、これ以上の試合続行は不可能と判断したレフェリーが試合を止めた。
 試合後、ヒョードルは右眼窩底骨折と鼻骨骨折の疑いで病院に直行。引退発言の真意は明かされないままとなった。
 だがその波紋はバックステージを直撃した。SFのスコット・コーカー代表は「試合後は興奮しているので引退を口走ることもある。もう一度落ち着いてから話をしたい」と火消しに躍起。トーナメント開幕前には6試合の契約を結んだばかりで「もしトーナメントにケガ人が出た場合、リザーバーを飛び越えて復活する可能性も否定できない」と強権発動もにおわせた。またM—1グローバルのワジム・フィンケルシュタイン代表も「第3Rがあったら結果はどうなったか分からない」と悔やみ、こちらも慰留の考えを示した。
 一方、影響は選手にも広がった。ヒョードルと準決勝で激突する可能性のあったアリスター・オーフレイムは「ヒョードルとの対戦機会を逃したのは残念だけど、このGPには彼以外にも世界のトップファイターが集まっているので俺は前を向いて戦うだけ」とやりきれない表情で話した。
 いずれにせよ「60億分の1の男」の称号を背負うヒョードルにとって、キャリア初の連敗は重くのしかかる。引退か、それとも撤回か。すべては本人の意思に委ねられることになりそうだ。

【新日本プロレス・永田裕志の話】寂しいですね…。最強だったヒョードルと戦えた(2003年大みそかの猪木祭)ことは光栄でしたよ。メチャクチャな大会だったけどね。どうせやるならイベントのゴタゴタがない状態でやりたかった。ロクに練習もできなかったし。まあ、何はともあれ、お疲れさまでした。っていうか、俺に聞きに来んなって!

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