幽霊が国民年金受け取り!?

死亡隠し家族が受け取る…不正受給11件発覚

 ソウル市恩平区に住んでいた男性(1941年生まれ)は死亡してから7年が経過していたのにもかかわらず、国民年金が支給されていた。受給者が死亡した場合、年金は直系の家族に継承されないが、男性の息子らは86カ月間、年金を受け取っていた。忠清北道提川市に住んでいた男性(1917年生まれ)も、国民年金を払っていた息子が死亡すると遺族年金を受け取ってきた。本人が死亡した後は45カ月間、その年金が家族に支給された。

 韓国でもこのように、死亡者に国民年金が支給されていたケースが11件発覚した。日本では昨年、100歳を超える高齢者について死亡したことを隠し、家族が年金を受け取っていた事例が相次ぎ明るみに出た。これを受け、韓国国民年金公団が70歳以上の高齢受給者を対象に実態調査を行ったところ、韓国でも「幽霊受給者」が一部確認されたのだ。

 国民年金公団が申相珍(シン・サンジン)議員室=ハンナラ党、京畿道城南市中院区=議員室に提出した「2010年受給者実態調査結果」によると、昨年70歳以上の高齢年金受給者は約4万9000人で、訪問調査が行われた約1万4000人のうち11人が「幽霊受給者」だったことが分かった。

 同公団関係者は「ソウル市恩平区の男性の場合、住所地に誰も住んでいなかった。男性の兄弟に確認したところ、7年ほど前に死亡していたと分かった」と話す。この関係者は「年金支給を打ち切ると、息子だと言う人物が電話をかけてきて『なぜ年金を支給しないのか』と抗議してきた」と言った。

趙儀俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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