遺族が語る“悲しみと無念”
遺族が語る“悲しみと無念” 02/17 19:25

10年前、福岡市東区の民家で老夫婦が殺害された事件で、きょう、被害者の遺族や警察が現場近くの駅でチラシを配り、情報提供を呼びかけました。

また遺族は、事件の現場となった実家にも訪れ、薄れることのない悲しみと無念さを語りました。

10年前、福岡市東区で老夫婦が自宅で殺害された事件。

「事件を風化させてはならない」と、遺族らがきょう、現場近くの駅で情報提供を呼びかけました。

10年前の2001年2月。

福岡市東区若宮の自宅で、金丸金次郎さん(当時81)と妻の愛子さん(当時73)が、遺体で見つかりました。

金丸さんは2階の寝室で、首や胸など数か所を刃物で刺され、愛子さんは電気コードで首を絞められていました。

現場となった室内には、少なくとも2人以上の足跡が残されていて、警察は、複数犯による強盗殺人事件として捜査していますが、これまでのところ、有力な情報はなく、犯人の検挙には至っていません。

金丸さん夫婦の二女・藤堂早苗さんも、きょうのために千葉県から駆けつけました。

●藤堂早苗さん
「失った命は返ってこないけども、なぜ殺されなければならなかったのか、真実が知りたいというのが一番」

現場となった金丸さん夫婦の自宅は、10年前の事件直後と同じ状態でそのまま残されています。

犯人が引き抜いたとみられる電話線。

荒らされたたんすには、捜査員が指紋を採取した跡も残っています。

●藤堂さん
「本当は家も壊さないといけないんだけど、なかなかその決心がつかなくて…」

早苗さんは、事件から10年が経った今も、突然、命を奪われた両親の無念さを強く感じています。

●藤堂さん
「何だか泣けてきて、何でこんな思いしなくてはいけないんだろうって、何か自分が悪いことしたのかなと、神様を恨みたくなりました」

去年4月、殺人などの罪については時効が撤廃されたため、警察はこれからも、事件解決を目指して捜査を続けていくとしています。

●東警察署・兼谷義彦署長
「犯人は、都会の片隅で、通常の生活をしているのだと思う。ぜひ、些細なことでもいいので、情報提供を求めたい」

事件から10年。

一刻も早く、犯人逮捕の報せを受けたいと願う遺族は、どんな些細な情報でも、犯人逮捕に結びつく手がかりになるかもしれないと、これからも情報提供を呼びかけたいと話しています。

※連絡先・東警察署刑事第一課092-643-0110