【社説】李明博政権の3年間とこれからの2年間

 李明博(イ・ミョンバク)政権が発足してから、今月25日で3年目を迎える。李明博政権は2008年の発足以降、世界を襲った経済危機に見舞われたが、中国やシンガポール、インドなどほかの新興国と同様、比較的早い段階で経済を正常化させた。08年の国内総生産(GDP)の規模を100とすると、昨年の韓国のGDPは105.4だった。米国100.4、日本97.8、ユーロ経済圏98.9など、先進国に比べ高得点だ。

 韓国は、経済危機に共同対処するために新設された国際経済協議体、G20(主要20カ国・地域)の創設時からのメンバーで、昨年11月には議長国としてG20ソウル会議を主催した。危機の中で、国家の地位を一段階引き上げたことになる。

 李明博政権は、外交安全保障分野では、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権時に根幹まで揺らいだ韓米関係を立て直した。しかし南北関係では、哨戒艦「天安」沈没、延坪島砲撃などの武力挑発や対話攻勢のカードを織り交ぜながら、「吸い取り式援助」をせがむ北朝鮮との対峙(たいじ)を続けている。

 李明博政権の前半に対する評価は、50%近い国政支持率に表れている。就任3周年時の金大中(キム・デジュン)、盧武鉉両大統領の支持率、20%台後半に比べてかなり高い。支持率で自信を得たのか、李大統領は「レームダック(政権末期の権力を喪失した状態、死に体)はない。任期最後の日まで働く」と意欲を見せている。

 しかし、どんな政権も任期後半になるにつれ、あれこれと不正が発覚する。昨年12月、李大統領の大学の同期で非常に親しい友人が、斡旋収賄容疑で身柄を拘束された。また、建設現場の食堂(飯場)汚職の捜査で、李大統領がソウル市長だったころの参謀や大学の後輩たちの手に、相次いで手錠がかけられている。例年、政権4年目に明るみとなる側近の汚職がが、やはり今回も起きている。先日、与党ハンナラ党の安商守(アン・サンス)代表と金武星(キム・ムソン)院内代表を除く最高委員6人が「非主流会合」を開いた。昨年7月の全党大会の際、主流が圧倒的多数だった構図が逆転した。これもまた、政権後半期にみられる内部分裂の症状だ。

 李明博政権は4年目に突入する政権の体力を冷静に評価し、それによってやり遂げることができる仕事の範囲を決めるべきだ。また、力が衰えていく後半期には、新たに敵を作ることは避けなければならない。任期満了となる前に、先延ばしにしてきた仕事を無理やり終えようという欲も捨てるべきだ。今後は、これまで進めてきた仕事の中から必ず終えるべき項目だけを選び、優先順位を決めて確認していくことが重要だ。次の政権に引き継ぐ際に、国家的災難となり得る問題にまずは手を加えるべきだ。残り2年間、これらの仕事をこなすだけでも容易ではない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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