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県がんセンター無資格麻酔:幹部は容疑を否定 県警が家宅捜索 /千葉

 男性歯科医による麻酔は国の指針に沿った正当な研修だったのか、それとも--。「千葉県がんセンター」(千葉市中央区)が18日、医師法違反容疑で県警環境犯罪課の家宅捜索を受けた。センターは同日夜会見を開き、幹部らは「ご心配をかけたことは遺憾」と陳謝したが、「医師法違反に当たるようなことはないと考えている」と容疑を否定した。【黒川晋史、味澤由妃】

 県警環境犯罪課などの捜査員約40人は午前10時ごろ、押収用の段ボールを抱えセンターに入った。捜索は午後いっぱい続いた。

 捜査関係者によると、同センターで昨年7月にあったがん患者の外科手術で、医師にしか認められていない部位への麻酔(医科麻酔)を、30代の男性歯科医が行った疑いがあるという。歯科医による医科麻酔は医師法違反だが、国の指針で研修目的で行うことが例外的に許されている。県警は、指針が義務付ける手続きを取っていなかったとみて捜索に踏み切ったとみられる。

 家宅捜索を受けて、センターの松本均事務局長と館崎慎一郎医療局長が午後7時から会見。松本事務局長は冒頭、「捜査を見守りながら、万全の医療体制を構築していきたい」と陳謝した。

 松本事務局長らによると、退職した医師から昨年10月、男性歯科医の医科麻酔について「指針を逸脱しているのでは」という投書がセンターなどに寄せられた。これを受けて歯科医らに聞き取りを実施。「指導する麻酔医の監督は適正になされ、基準にのっとって行われている」という説明だったという。

 松本事務局長は「容疑はないものと思っている」としたうえで、指針が義務付ける「インターネットを通じての学会への登録」について歯科医が怠っていた可能性にも言及。「手術管理部長は『登録していなかった記憶がある』と言っていた。警察の捜査で何か出てきた場合は全力を挙げて挽回を図る」と話した。男性歯科医は「歯科麻酔専門医」の資格を持っており、登録は不必要と誤解していた可能性が高いという。

 同センターは1972年に開設され、国からがん治療の拠点病院に指定されている。病床数は341で、09年度の手術実績は2980件。麻酔医は常勤2人、非常勤16人。

毎日新聞 2011年2月19日 地方版

 
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