世界の土屋へ　デビュー９戦ＫＯ　自己最短３０秒！

　昨年の全日本ライト級新人王の土屋修平（２４）＝角海老宝石＝が１８日、東京・後楽園ホールで行われたペットウタイ・オーベンジャマッド（２８）＝タイ＝との６２キロ契約ノンタイトル６回戦で、自己最短の３０秒でＫＯ勝ちし、デビュー以来の２回以内連続ＫＯ記録を９戦に伸ばした。

　２００年に一人といわれた逸材は、伊達じゃない。電光石火の早業。一発で終わらせた。１回開始直後、土屋の右のショートアッパーがさく裂すると、ペットウタイはリングの上に大の字に伸びた。黄色い声援が飛び交う中、金髪でサッカー日本代表の本田圭佑に似ている土屋は、バック宙を決め、勢い余って尻もちまでついた。

　「もっと、やりたかったけど、倒すタイミングが来ちゃった」

　これで、２００９年７月のデビュー戦から９戦続けて２回以内にＫＯ勝ち。ペットウタイは１８戦１２勝５ＫＯの実績の持ち主。あまりにあっけない幕切れに、記録作りのかませ犬ではとの声も出そうだが「ホントは、日本人との対戦が決まっていた。でも、逃げられちゃった」のだという。

　日本人の連続ＫＯ記録は、元ＷＢＣ世界スーパーライト級王者の浜田剛史と渡部あきのりが持つ１５。しかし、土屋は「記録に興味はない」という。昨年の夏、ＷＢＡの現スーパーフェザー級王者の内山高志と６回のスパーリングをする機会があったが「結構、やられた。今はレベルが違う。でも、いつか、あのレベルにいけると思う」とあくまでも視線の先にあるのは世界だ。

　次は、４月に８回戦が組まれる予定。「決まった試合は、全部、倒すつもりでいく。誰とでもやります。強いヤツとやりたい」とキッパリ。「世界の土屋」になる日もそう遠くないかもしれない。　（竹下陽二）