ＮＨＫ委託カメラマン、聴取後自殺図る

　金沢市の２０代主婦が今月６日から行方不明になっている事件で、石川県警が１７日までに事情聴取していたＮＨＫの外部委託カメラマンが１８日朝、同市内の実家で自殺を図っていたことが県警への取材で分かった。県警によると、カメラマンは３０代で、病院へ搬送され、意識不明の重体で入院している。これまでの聴取には「主婦とは数年前から面識がある」と話していた。県警幹部は主婦が不明となった夜に会っていた人物としている。

　石川県警によると、１８日までにＮＨＫの外部委託カメラマンのほか、関係者数人から事情聴取を続け、金沢市内の海岸付近で主婦の遺留品の捜索などを行ったという。主婦は６日午後９時ごろ、「知人の男性に会いに行く」と母親に男性の名を告げて車で外出。その後、帰宅せず行方も分からないため、両親が７日に捜索願を出していた。

　県警幹部はカメラマンについて「主婦に６日の夜に会った人物で、行方不明になった事情を知っている可能性が高い」と語り、事件の鍵を握る人物との見方を示した。

　県警の調べによると、主婦の車は同市のショッピングセンターの駐車場に残されていたという。車内には主婦の財布やバッグなどがあったが、荒らされた形跡はなかった。県警はこうした状況から主婦が事件に巻き込まれた可能性が高いと判断して調べていた。

　県警やＮＨＫなどによると、聴取を受けたカメラマンはＮＨＫが契約している映像制作プロダクションに所属する社員で、ＮＨＫ職員ではないが、普段からＮＨＫ金沢放送局で映像取材の仕事をしていたという。

　金沢放送局は「捜査に協力しながら、今後の捜査の行方を見守っていきたい」とコメントした。夕方のローカルニュースでも、事件を受け、カメラマンが参考人として事情聴取を受けたことや、１８日になって自殺を図り、病院で手当てを受けていることを報じたという。金沢放送局は事件の捜査状況がはっきりしない状態を考慮し、カメラマンについての詳細な情報は公表していないが、「カメラマンの容体は決して軽くないようだ」と説明した。

　［2011年2月19日8時12分　紙面から］