韓国軍:大統領府など首都圏防衛対空砲、一部不良
軍納不正の可能性で捜査
現在は主にミサイルで防衛、中核施設の防衛には問題なし
大統領府をはじめ、ソウル・京畿道一帯の上空を防衛する韓国軍の35ミリ対空砲(通称:オリコン砲)の一部部品が不良品であることが分かり、軍当局や警察が捜査に乗り出した。
国防部(省に相当)関係者は11日、「35ミリ対空砲の交換用部品で、米国の武器仲介会社T社から購入した砲身79本のうち、2001年から03年までに納品された49本に熱処理が施されていないことによる亀裂や寸法不良などの問題が発生、国防部調査本部と警察が調査している」と語った。オリコン砲は1970年代に計36門が導入され、首都圏に配備、大統領府周辺にも2-3門あると言われている。問題になっている砲身は、砲を固定する役割をする部品で、1門に2本必要だ。
これについて、国防部調査本部の関係者は「砲身の納品契約を結んだT社の国内代理店的な役割をしているN社は、海外生産品を納品すると言いながら、韓国にある無資格の会社で生産した砲身を香港に運び、これを逆輸入し軍に提供したことが分かった」とし、逆輸入に見て見ぬふりをした軍関係者が関与した軍需不正の可能性も取りざたされている。不良品の納品価格は150万ドル(約1億2500万円)だという。
しかし、国防部側は「現在まで軍関係者が不良品の納品に関係したという痕跡はなく、『納品詐欺』の可能性がある。一部不良品があっても、大統領府などソウルや首都圏の中核施設に関する対空防衛は、国産短距離地対空ミサイル『天馬』、携帯型対空ミサイル『神弓』『ミストラル』などが主に担っており、大きな問題はない」としている。
一方、合同参謀本部は問題になっている部品49本のうち19本は既に交換されており、残りの部品も納品され次第、交換する予定だとしている。
- 国防部ホームページより
崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者