広島市中心部で人間ドックの検診施設が多様化している。健康志向の高まりを受け、独自プランを前面に打ち出すほか、料金割引などによる受診者の囲い込みを図る動きも目立つ。
中区幟町には10日、広島生活習慣病・がん健診センターがオープンした。運営する医療法人社団ヤマナ会(東広島市)の山名征三理事長は「健康の重要性への認識が高まっている。多様な医療ニーズに応える拠点を作りたかった」と説明する。
1月には中区の本通り商店街近くにメディックス広島健診センターがオープンした。個人利用者への知名度アップも狙い、人通りの多い場所に約50メートル移動した。
それぞれがんの早期発見と腹部に特化したドックプランや、女性専用フロアの設置などの特色を打ち出す。
また新規開拓やリピーター確保への知恵も出す。
これらの背景について、広島国際大の林行成准教授(医療経済学)は「保険診療以外の事業に病院側が積極的に乗り出している」と分析。「今後もっと設備やサービスの細分化が進み、受診者側にとっては選択の幅が広がる」とみている。
【写真説明】人通りの多い商店街近くに移転したメディックス広島健診センター(広島市中区)
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