昨年11月に歌舞伎俳優・市川海老蔵(33)が暴行され重傷を負った事件で、傷害罪に問われた元暴走族メンバー・伊藤リオン被告(27)の初公判が18日、東京地裁で開かれた。検察側は「先輩(元暴走族リーダー)がチョーパン(頭突き)を食らわされたのに怒りを感じ、被害者の顔面を右手で殴りました」とする被告の供述調書を朗読。元リーダー(29)も証言台に立ち、先に手を出したのは海老蔵だったと訴えた。昨年12月に行った2度の会見で海老蔵は暴行を否定していた。
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伊藤被告を裁く法廷で、海老蔵の“非”が次々と語られた。伊藤被告の供述調書などによると、事件当日、海老蔵と同席していた元リーダーは泥酔。元リーダーを迎えに来た伊藤被告ら3人に対し、海老蔵は吸い殻入りの灰皿に、自身が飲みかけていた酒を入れ、飲むように命じたという。
元リーダーが拒否しても、海老蔵は髪をつかみ体を揺すって酒を強要。止めようとした伊藤被告に対し、海老蔵は「生意気だ」と灰皿を手に持ち、胸ぐらをつかんできたため、割って入った元リーダーに、海老蔵が頭突き。両鼻から血が流れた。それに激怒した伊藤被告が海老蔵に暴行を加えた、としている。
伊藤被告の供述調書によると、海老蔵は蹴りで反撃したというが「腹に当たりましたが、全くダメージはありませんでした」と振り返った。海老蔵への暴行の詳細については「右フックで顔を殴りつけました。両手で頭を防御していたが、そのすき間から顔や頭を平手で2、3回殴りました。足裏で、腰などを蹴った」と読み上げられた。
海老蔵は昨年12月28日に会見し、伊藤被告、元リーダーそれぞれとの示談を発表。「(自身が)暴力を振るった記憶はない」と主張していたが、この日の法廷では、被告側は海老蔵の“先制頭突き”が発端とした。検察側も「(元リーダーを)介抱しているつもりだったが、周りからは手荒く見えたかもしれない」と“反省”した海老蔵の調書を読み上げた。
法廷での伊藤被告は、黒のスーツに白シャツ姿。裁判長から起訴状に間違いがないかを問われると、「ないです。大丈夫です」とボソボソとした口調で答えた。伊藤被告の妻と母も、証人として出廷。妻が証言台に立つと、神妙そうな表情を浮かべた。酒場のケンカから始まった大騒動は3月3日の次回公判で結審の予定だ。
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