2011年1月15日 16時41分 更新:1月16日 1時11分
NHK経営委員会(委員長=小丸成洋(こまる・しげひろ)・福山通運社長)は15日、24日に任期満了を迎える福地茂雄会長(76)の後任に、JR東海副会長の松本正之氏(66)を起用する人事を全会一致で議決した。就任は25日付、任期は3年。アサヒビール出身の福地氏に続いて2代連続の外部起用となった。また会長選びを巡る混乱で批判を受けていた小丸氏は、進退について「日を改めて報告したい」と述べ、辞任に含みをもたせた。
松本氏は名古屋大法学部卒業後の67年、国鉄(当時)に入社。同社職員課雇用対策室長、JR東海新幹線運行本部総務部長、専務取締役、代表取締役副社長、同社長などを経て10年4月から現職。74年から約2年間、北海道警防犯部に防犯少年課長として出向した経歴もある。
小丸委員長は松本氏が国鉄改革に携わったことを挙げ、「強いリーダーシップで、巨大なNHKを引っ張る力を持っている」などと話した。
新会長は複数の経営委員がそれぞれNHK内外から候補者を推薦し、議論した結果、決まったという。
会長の任免権を持つ経営委は昨年暮れ、慶応義塾前塾長の安西祐一郎氏(64)を優先して選考作業を進め、就任内諾を得た。その後、安西氏が「交際費の使用」など3条件を付けたとする風評が拡散。一部委員から異論が出て情勢が流動化した。今月10日に小丸氏らが安西氏と会い、受諾の撤回を求めた。安西氏は小丸氏に就任拒否を通告し、記者会見で小丸氏を批判するなど、混乱が続いていた。【栗原俊雄】