2011年1月15日 12時1分
【ワシントン斉藤信宏】日米両政府は14日、前日から2日間にわたって米ワシントンで開いていた「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)を巡る初の2国間協議を終えた。米通商代表部(USTR)によると、米国側は「TPPは、従来の自由貿易協定(FTA)よりも高いレベルの自由化を目指している」と説明。農業分野を中心にした関税の原則撤廃やサービス分野の規制緩和がTPP参加の前提になるとの認識を示した。
2国間協議は、貿易や投資に関する課題を議論する「日米貿易フォーラム」の一環として開かれた。日本側は、国内市場の開放に向けた環境整備を進めていると表明。6月をめどに交渉参加の是非を判断するとの政府方針を伝えた。閉幕後、日本側の出席者は毎日新聞の取材に「丁寧にTPP交渉の現状説明を受けた」と述べ、日米両政府が今後も必要に応じて随時協議を実施していくことで一致したことを明らかにした。
また、フォーラムで米国側は、米国産牛肉の輸入制限問題や、郵政民営化に伴う外資系企業の競争条件確保、自動車の安全技術基準の明確化などについて、改善を要求。日本がTPP交渉に加わった場合、こうした日米間の課題が、多国間でも改めて取り上げられることになりそうだ。
日本側交渉団は引き続き、チリとペルーを訪れ、2国間協議を実施。月内にはTPP交渉参加9カ国と1回目の2国間協議を終えることにしている。