Calendar
2011年2月
     
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  
Archive
広報チームのプロフィール
学研教育出版「広報チーム」です。 現場にいながらだからこそできる、 リアリティあふれる情報発信を していきます。
【特集】浅田真央 さらなる高みへ「メイキング・ブログ」
vol.2 「パイロット版原稿」 いきすぎた描写。

パイロット版原稿とは、本の書き始めにあたって、
文章のテイストを確認しあうための、
最初の試し原稿のことである。

バンクーバーオリンピックが終わって1週間後、
吉田さんから メールで、パイロット原稿がきた。

バンクーバーでの演技を見て、
そこから読み取れる思いを
文章にしてみました、と。

そこには、原稿用紙に換算して5枚ほどの分量で
フリーの「モクスワの鐘」の4分間が描かれていた。

フィギュアの演技を、たった4分間を、
こんな分量でもって、そして、これだけの感情溢れる描写でできるのか。

驚いた。

しかし、過剰過ぎる。

そこに描かれているのは、
マッチョで猛々しい魂をもったアスリートである。

ミスタッチとはいえ、リンクがリングになってしまっている。

これじゃ、格闘技だ。

率直にその旨を伝えて、
吉田さんに原稿を手直ししてもらった。

手直しをした原稿を、
情報は、映像で見た演技のみ。
あとは、吉田さんのイマジネーションで書きましたと
断りを入れたうえで、
マネジメント担当のWさんに、原稿を送った。

いわゆるパイロット版として原稿だったが、
Wさんは、笑いながら、感想を伝えてくれた。

ぜんぜ~ん、違います!

いわゆるがっちがちのアスリートっていうのとも違うんですよ。真央って。
まぁ一度、会っていただくのが一番だと思います。

今度真央が東京に出てくるときに、
スケジュールを出しますので、
「実物」と話してみてください。

それが早いと思います。



(文=S編集部員)

—————————————————-

Archives Vol.1 執筆者を誰にすべきか。

—————————————————-


◆お知らせ◆

 発売して数日ではありますが、おかげさまで、
 増刷が決まりました!

     
【特集】浅田真央 さらなる高みへ「メイキング・ブログ」
vol.1 執筆者を誰にすべきか。

真央さんのマネジメント担当のWさんと
最初の段階からの話で、
これについては、かなりつめた。

真央さん、そして、
マネジメントを担当するWさんの希望としては、
「アスリートとしての浅田真央」を描いてほしいとのこと。

この点は合致している。

競技としてのフィギュアスケート。
世界のトップアスリートとしての浅田真央。

どう描くか。
そして、だれに描いてもらうのがベストなのか。

さまざまなアイデアが頭を巡った。
ただし、書き手については、迷いがなかった。

あの人だ。

無名ではある。

しかし、文章も書けて、物語の構成力もある。

なにしろ今回は、ひとりの人間が生まれてから
20歳になるまでを描かなければならない。
構成力がなければ、とても書ききれないだろう。

自身に演技者としても経験もあるため、
「演じる」ということを描くのに適しているはずだ。

脚本作家や構成作家としての経験もあり、
筆力も卓越している。

何よりも、人間の奥底にあるものを見つけ出して
本質を描くことにたけている。

あえて懸念をあげるとしたら、
世間に名の知れた人ではないということと、
それまでに、フィギュアスケートについても、
「浅田真央」についても、書いたことがないという点だった。

ただ、重要なのは、あまたの情報を
流れをもった物語として構成していく力。

間違いなく、だいじょうぶだろう。あの人なら。

Wさんには、その書き手についてのことを率直に話をして、
了解をもらえた。

了解を得られたところで
三つのお願いをした。

真央さん本人とその家族、
そして、コーチや周囲の人たちへの取材に
取材をさせていただくこと。

原稿には、必ず本人も目を通してもらうこと。

そして、だめだと思ったこと、
事実と違うことがあれば、
必ず、そうと言ってくれること。

いずれも当たり前のことだけど、
三つ目が、意外となおざりになってしまうケースがある。

本の怖さは、形として半永久的に残ること。

描かれる側は、生身の、いま生きている人間である。

だから、三つ目の作業を
時間の不足やお互いの遠慮で、スキのあるものになってしまうと
取り返しがつかないことがありえる。

それはお互いにとって、望ましくないことだ。

だからあえて、それはちゃんと事前に確認したかった。

Wさんは、ひとこと、わかりましたと言ってくれた。

バンクーバー・オリンピックを目前に控えた2010年2月、
浅田真央の20年間を描く、ノンフィクション企画は
スタートした。    

                   
(文=S編集部員)

浅田真央の20年を辿る旅がスタートした(写真は、章扉のゲラ刷り)

     
  • 学研出版サイト
  • ショップ学研
  • 学研こどもの本
  • 「トリシアのお部屋」
  • 賢くなる算数
  • 大人の科学
  • 学研科学創造研究所
  • 学研教育出版