菅再改造内閣:首相、発足会見で年金「税方式」こだわらず

2011年1月14日 21時8分 更新:1月14日 23時37分

会見する菅直人首相=首相官邸で2011年1月14日午後6時7分、久保玲撮影
会見する菅直人首相=首相官邸で2011年1月14日午後6時7分、久保玲撮影

 菅再改造内閣が14日夕、皇居での認証式を経て発足した。菅直人首相は同夜、官邸で記者会見し、民主党がマニフェストで掲げた年金改革案の見直しを示唆した上で「改革に向かって他の考え方も含め議論するのは十分あっていい」と述べ、全額税方式の最低保障年金創設にこだわらない考えを示した。首相は6月ごろをめどに年金改革の方向性を示す考えで、首相が提唱する「税と社会保障」協議への野党の参加を促す狙いがある。

 これに関し、首相から社会保障議論を任された与謝野馨経済財政・社会保障と税一体改革担当相は14日、記者団に「社会保険方式が具体的で実現可能性がある」と民主党案に否定的な考えを示した。

 自民、公明両党は現行の社会保険方式による基礎年金を維持する方針。首相は会見で「人口構成の変化は極めて急激。従来(党内で)議論してきた改革で果たして対応できるのか」と述べ、修正に柔軟な姿勢を示した。また、首相は与謝野氏の起用で「国民的議論を高めたい」とし、与野党協議の進展に期待を示した。

 ただ、全額税方式は年金問題追及で党勢を拡大してきた民主党の年金改革の根幹部分。党外から起用した与謝野氏との連携による修正の動きには、党内や民主支持層から反発を招く可能性もある。

 一方、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に積極的な海江田万里前経済財政担当相を経済産業相に横滑りさせたことを踏まえ「実現する場合、どういう農業改革が必要かしっかり検討する」と述べ、参加の条件整備に意欲を示した。

 また、仙谷由人前官房長官ら参院で問責決議が可決された閣僚の退任については「民主党の危機を越えるためでなく、日本の危機を越えるためという観点で(改造を)行った」と述べるにとどまった。【田中成之、山田夢留】

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