ジャック・アタリ氏:「日本の方が財政赤字深刻」 会見で

2011年1月14日 19時55分 更新:1月14日 20時8分

記者会見するジャック・アタリ氏=東京都港区のフランス大使館で1月14日午後3時46分、永井大介撮影
記者会見するジャック・アタリ氏=東京都港区のフランス大使館で1月14日午後3時46分、永井大介撮影

 フランスの思想家で経済学者のジャック・アタリ氏(67)が自著の出版を機に来日し、東京都内で14日、会見した。アタリ氏は「財政不安が起きている欧州よりも日本の方が財政赤字は深刻。世界を危機に巻き込むこともあり得る」と指摘。「日本は高齢化の進展で歳入よりも歳出の伸びが早い。10~15年後には日本人の貯蓄の100%が、公的債務をまかなうためのものになる」と警告した。

 アタリ氏は、日本が財政再建を果たすには、(1)経済成長力の回復(2)人口増加政策(3)歳出削減(4)増税などによる歳入の拡大--を同時に進める必要があると指摘し、特に歳出削減と歳入増は「緊急性がある」と述べた。

 一方、日本の財政赤字は国民の貯蓄でまかなえるので危機的ではないとの議論については「何もしないことも(国民の)選択肢の一つだが、成功した例は歴史上ない。最も悲惨なシナリオだ」と語った。

 アタリ氏は81~91年、ミッテラン仏大統領(当時)の補佐官を務め経済政策を主導。現在もサルコジ大統領に政策提言している。

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