菅改造内閣:新顔4人新鮮味乏しく 藤井氏にパイプ役期待

2011年1月14日 11時59分 更新:1月14日 13時4分

首相官邸に入る藤井裕久元財務相=2011年1月14日、長谷川直亮撮影
首相官邸に入る藤井裕久元財務相=2011年1月14日、長谷川直亮撮影

 14日発足する菅第2次改造内閣は、17閣僚のうち11閣僚が留任し新鮮味の乏しい陣容となった。閣僚ポストが変更となった2人を除くと、新顔は4人どまり。参院で問責決議された仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相が辞任に追い込まれ、首相は苦しい組閣を余儀なくされた。24日召集の次期通常国会をにらみ、首相は官房副長官に民主党の藤井裕久元財務相を起用。政権への対決姿勢を強める野党側との「パイプ役」として、藤井氏の手腕に期待している。

 首相は昨年9月、小沢一郎元代表との党代表選を制し、改造内閣を発足させた。「脱小沢」路線を前面に押し出した布陣が支持を集め、毎日新聞の世論調査では発足当初の内閣支持率は64%を記録。しかし、沖縄の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件への対応や、国会答弁を軽視したような柳田稔前法相の更迭問題などで、支持率は2割台にまで急降下し、首相は内閣改造の断行を迫られていた。

 今回の改造を「最強の布陣」とする首相は、仙谷氏の後任官房長官に枝野幸男幹事長代理を抜てき。46歳の枝野氏を補佐する官房副長官には78歳の藤井氏を充てる。藤井氏は旧自由党幹事長として、03年の「民由合併」で、岡田克也幹事長との信頼関係を築いた。09年衆院選で引退の意向を固めたが、政治経験を惜しむ声もあり、比例代表で出馬した。

 藤井氏に近い民主党関係者は副長官就任について「岡田氏を支えなければとの気持ちが強いはず」と指摘。困難な政権運営の前面に立つのは間違いなく、「最後のご奉公のつもりだろう」と心境を代弁した。

 一方、在任期間が120日間にとどまった退任閣僚は、無念の表情を浮かべた。馬淵氏は閣議後、5分ほど官邸に残り、首相と会談。首相は「よくやってくれた」とねぎらった。馬淵氏はその後の記者会見で、米映画「ターミネーター」のセリフをまねて、「政権を去るが『アイル・ビー・バック』(戻ってくる)」と締めくくった。

 岡崎トミ子消費者・少子化担当相も会見で「力不足だったが精いっぱい取り組んだ。閣僚として、仕事できたことに感謝したい」と述べた。【竹島一登】

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