内閣改造:与謝野氏、経財相に 法相は江田氏

2011年1月14日 2時30分

与謝野馨氏=東京・永田町で2011年1月13日、久保玲撮影
与謝野馨氏=東京・永田町で2011年1月13日、久保玲撮影

 菅直人首相(民主党代表)は14日、通常国会(24日召集)を乗り切る「最強の態勢」を掲げ、内閣改造・民主党役員人事を行う。13日夜には同党の枝野幸男幹事長代理を首相官邸に呼び、仙谷由人官房長官の後任に起用することを正式に伝えた。たちあがれ日本を離党した与謝野馨・元同党共同代表(元財務・金融・経済財政担当相)は、消費税を含む税・社会保障改革と経済財政政策の担当相に内定。海江田万里経済財政担当相は経済産業相に横滑りし、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)協議を担当する。

 昨秋の臨時国会で仙谷氏とともに参院の問責決議を受けた馬淵澄夫国土交通相も交代させ、後任の国交相には大畠章宏経産相を横滑りさせる。「平成の開国」を唱える首相はTPP参加を目指し6月をめどに結論を出す方針で、TPP参加に慎重な大畠氏から積極的な海江田氏に経産相を入れ替える。

 首相は13日、千葉市で開いた民主党大会で「通常国会に向け党・内閣を最強の態勢にする」と宣言。「問責を出されたとか何かを言われたからではない。どういう態勢が最も強力か、この一点だ」と強調した。同日夜、続投させる岡田克也幹事長と官房長官に内定した枝野氏を官邸に呼び、仙谷氏も同席して約3時間半にわたり詰めの調整を行った。

 仙谷氏は党の代表代行で処遇。首相は国対委員長への就任を打診したが、仙谷氏は「問責決議を受けた閣僚はふさわしくない」と固辞した。そのため、同じ前原誠司外相グループの安住淳副防衛相を国対委員長に起用することが固まった。仙谷氏が兼務している法相には江田五月前参院議長が就く見通し。

 改造は小規模で、片山善博総務相、前原外相、野田佳彦財務相、細川律夫厚生労働相、北沢俊美防衛相、玄葉光一郎国家戦略担当相(党政調会長兼務)、蓮舫行政刷新担当相、自見庄三郎金融・郵政担当相(国民新党副代表)は留任。高木義明文部科学相、鹿野道彦農相、松本龍環境相も留任する。岡崎トミ子消費者・少子化担当相も留任する見通しだが、昨年11月の北朝鮮砲撃事件の際に警察庁に登庁しなかったことが批判されており、国家公安委員長の兼務は外す。官邸で仙谷氏を補佐してきた福山哲郎官房副長官の留任も固まった。

 与謝野氏は13日、新党改革の舛添要一代表(元厚生労働相)とともにBS11の番組収録に出演し「私は財政再建、舛添さんは社会保障改革、お互いにライフワークのようにやってきた。そういうことのお手伝いをしていきたい」と政権参画に意欲を示した。

 14日は午前の閣議で全閣僚が辞表を提出する。午後に閣僚名簿の発表と認証式が行われ、夕方に首相が記者会見する予定。首相会見の前に衆参両院の議院運営委員会理事会が開かれ、枝野新官房長官が通常国会の24日召集を伝える見通しだ。【田中成之】

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