大阪地検:検事、アリバイ削除指示 法務省が懲戒

2010年12月21日 23時31分 更新:12月22日 1時2分

 大阪地検は21日、大阪府貝塚市で起きた放火事件で警察官が作成した捜査報告書の一部を削除して不適切に書き直させたとして、特捜部の高宮英輔検事(38)を20日付で総務部に異動させ、法務省が21日付で減給3カ月(100分の10)の懲戒処分にしたと発表した。削除部分は被告が事件当時、別の場所にいたと話したもの。公判で有利になるように削除したとの疑念を持たれる行為として、虚偽公文書作成容疑で捜査していた。

 大阪地検によると、高宮検事は大阪地検堺支部が現住建造物等放火罪で今年1月に起訴した男性の公判を担当していた4月、捜査主任だった警察官らに指示し、捜査報告書から「事件発生日時ごろは自宅で寝ていた」という男性の発言を削除し、新たな報告書を作成させた。男性が即座に発言を撤回したことなどから、報告書への記載は必要ないと判断したという。男性は知的障害があり、1月に逮捕され、約10カ月勾留後「有罪立証が困難」として先月26日に起訴取り消しになった。

 虚偽公文書作成容疑については「虚偽の内容に書き換えるなどの故意がない」などとして21日付で容疑なしで不起訴処分とした。書き直した府警貝塚署の警部補(54)と、現在は別の署に異動している巡査部長(36)についても府警が同容疑で書類送検、大阪地検は同様に不起訴にした。大島忠郁・大阪地検次席検事は会見し「公判活動の公正さに疑念を抱かせ、誠に遺憾」と謝罪。監督責任があるとして大阪地検堺支部長と当時の副支部長も21日付で厳重注意処分を受けた。【久保聡、村松洋】

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