2010年12月21日 0時9分 更新:12月21日 1時47分
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の排水門開門訴訟を巡り、開門調査に反対する中村法道知事ら県関係者は20日夕、「上告断念」を表明した菅直人首相と官邸で面会し、上告するよう直接要請した。上告期限直前の面会だったが、菅首相は「私の決断で上告しないと決めた」と、再考の意思がないことを伝え、5年間の開門を国に命じた福岡高裁判決が21日午前0時に確定した。
面会は非公開で約25分間行われ、営農者や漁業者の代表も同席。終了後に取材に応じた中村知事は「(首相に)理解いただけなかったのは大変残念」と悔しさをにじませた。開門調査の時期や方法、今後の協議についての話は無かったという。今後の対応について知事は「これから検討する」と述べた。
菅首相は20日夜、記者団に対して「農業について悪影響が出ないように、漁業についても防災についても、必要な関係者との相談をしっかりしていくということを知事をはじめ皆さんにお伝えした」と述べた。【佐藤浩】