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[国際]ニュース
【調査捕鯨中止】背景に隠れた狙い SSの宣伝と資金源封じ
2011.2.18 21:01
日本が南極海調査捕鯨の中断を決めた背景には、日本の捕鯨やイルカ漁を「食い物」(農林水産省幹部)にして、寄付金収入を増大させてきたシー・シェパード(SS)に経済的な打撃を与えたいという日本側の隠れた狙いがある。
SSは、米有料チャンネル「アニマル・プラネット」が2008年から放送しているテレビ番組「鯨戦争」を通じて飛躍的に知名度を上げてきた。
撮影班が抗議船に乗って妨害活動を収録、SSの主張を反映した一方的な内容に編集した番組で、同チャンネルの歴代2位の視聴率を稼ぎ出す人気番組に成長している。SSにとっては、支持者や寄付者を増やすための「情報戦略の核」となる宣伝媒体となった。
しかし、内容には問題点が多い。SS代表のポール・ワトソン容疑者は著書で、「派手派手しいドラマを演出し、相手をだませ」と述べている。番組も日本側を悪役に仕立て上げてショー化され、代表が日本の暗殺者に撃たれ「たまたま弾が胸のバッジに当たって助かった」とするような“やらせ演出シーン”が数多く存在する。
SSの妨害は撮影とセットで行われており、16日には抗議船3隻が合流、大規模な攻撃が予想されていた。このため、日本政府内では「SSにこれ以上、PR用の光景を撮らせるべきではない」として、肩すかしを食わせようとの考えが強まった。実際、SSを知る元活動家は「盛り上がりシーンに欠ける今回の鯨戦争は大幅な番組縮小を余儀なくされ、団体は経済的な打撃を受ける」と語った。
これまで、SSの妨害に苦しんだカナダやノルウェーは、抗議船の拿捕(だほ)や活動家の立件で、妨害を阻止してきた。日本はSS船の旗国であるオーストラリアやオランダに厳しい措置を要請していく必要がありそうだ。(佐々木正明)
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