知る×つながる=動きだす カナロコ 神奈川発コミュニティーサイト

ログイン

新規登録

  • お問い合わせ
  • たびたびある質問
  • サイトマップ

大相撲藤沢場所中止で余波、会場献血も中止で血液不足の恐れ/神奈川

2011年2月13日

 ソーシャルブックマーク  (ソーシャルブックマークとは)

この記事のコメントを見る

文字サイズ:

トラックに積み込まれた藤沢場所のポスター。張り出されていた計5千枚の回収が急ピッチで進んでいた=藤沢市亀井野の実行委員会事務局

トラックに積み込まれた藤沢場所のポスター。張り出されていた計5千枚の回収が急ピッチで進んでいた=藤沢市亀井野の実行委員会事務局

 中止が決まった大相撲藤沢場所(会場・秋葉台文化体育館、主催・同実行委員会)。チケットの払い戻しなど直接的損害も避けられない見通しだが、周辺への予想外の影響も次第に明らかになってきた。会場で5年前から行われてきた献血キャンペーンも中止となり、県内の血液が一時的に不足気味になる恐れが出てきた。また、同場所は地域の障害者、高齢者の貴重な楽しみの場だっただけに、落胆の声も大きい。

 関係者が頭を抱えているのは、2006年から始まった「大相撲藤沢場所献血キャンペーン」。チケット販売の際に呼び掛けているもので、当初は145人(52リットル)だった採血者は次第に増え、昨年は力士らを含め312人(120リットル)にまでなった。この量は、全県での1日の献血量の半分に相当するという。

 県内の献血業務を一手に担う県赤十字血液センターによると、「県内に、これほど多くの血液を確実に安定的に採れるイベントはほかにない」という。

 血液の適正在庫は、3日分の需要量とされるが、毎年春先は企業献血が行われないことなどから、在庫が不足気味になる。「そこで、藤沢場所の献血は不足を挽回できる極めて重要な機会になっている」と同センターの渉外課長、湯川昇さんは明かす。天候に左右される街頭献血と異なり、藤沢場所は採血時間を事前に予約する仕組み。効率的で確実に大量の血液が確保できていたのだ。

 同センターでは年間を通じて血液を確保するための採血計画を急遽(きゅうきょ)変更。「採血車による街頭献血の稼働日を増やすしかない」と対応策に追われている。

    ◆   ◆

 「今年はないんだね」。昨年、招待券で藤沢場所を楽しんだ知的障害のある40代の男性は残念そうに肩を落としたという。

 高齢者福祉施設や障害者が通う就労支援事業所など向けに計600万円(約600人分)のチケットが寄付される予定も吹き飛んだ。

 就労支援事業所などを運営する社会福祉法人、光友会(藤沢市獺郷)の五十嵐紀子理事長は「春の恒例になりつつあった。残念としかいいようがない」と話す。県遊技場協同組合や神奈川福祉事業協会が数百万円規模で買い取り、周辺自治体に招待券として寄付、各自治体が高齢者福祉施設などへ配っていた。

    ◆   ◆

 この20年間、実行委員長を務めてきた最上重夫さんの思い入れはひときわ強い。「スタートの時から20回が節目と思っていた。20年やれば相撲文化が藤沢に根付くと信じて」。開催されていれば全国の地方巡業で過去最多の開催回数となっていただけに悔しさは大きい。

 「おわび巡業と銘打ってでも、生まれ変わった勇姿を来年の春、見せてもらいたい」。多くの期待を代弁するかのように語気を強めた。

神奈川新聞の関連記事


この記事へのコメント

この記事へコメントする

コメントを投稿するにはログインが必要です。

神奈川新聞購読のお申し込み

神奈川新聞 1週間無料お試し

企画特集【PR】

  • 広告のご案内
  • 神奈川新聞の本のご購入とご紹介
  • Good Job
  • フォトサービス
  • カナロコ碁会所
  • 「おはようパズル」へ投稿
  • 神奈川新聞への情報提供と取材依頼
  • 「自由の声:への投稿
  • 会社概要
  • 採用情報
  • 日本新聞協会
  • Happy News