歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(33)に重傷を負わせたとして傷害罪に問われ、18日に東京地裁(板野俊哉裁判官)で開かれた解体業伊藤リオン被告(27)の初公判で検察側は、「先輩に被害者(海老蔵さん)が頭突きしたのに怒りを感じた。(海老蔵さんが)これ以上暴力を振るってこないようにと、手加減せずに暴行した」とする被告の供述調書を読み上げた。
証拠調べで明らかになった被告や先輩の元暴走族リーダー(29)の供述によると、東京・西麻布の雑居ビル内の飲食店で、海老蔵さんと同席していた元リーダーが泥酔し、被告に電話で迎えに来るよう頼んだ。
合流した被告ら3人に、海老蔵さんは自身が飲みかけた酒を灰皿に入れ、それを飲むよう勧めた。「もう飲めない」と言っていた元リーダーには「しっかりしろ」としつこく酒を勧めたり、別の店に行こうと誘って体を揺さぶったりした。
止めに入った被告に海老蔵さんは「後輩のくせに生意気だ」と胸ぐらをつかみ、元リーダーが間に入ると、海老蔵さんが元リーダーの顔面に頭突きをした。それを見た被告が海老蔵さんを殴打し、置き去りにして帰った、としている。
弁護側は冒頭陳述で「被告は、元リーダーが海老蔵さんからさらに暴行されると考え、それを防ぐため、やむなく殴打した」と指摘、過剰防衛に当たると主張した。
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