2011年2月18日11時31分
秋田県の旧角館町(現仙北市)で2003年〜05年分の所得税確定申告書が住民に無断で作られ、税務署に提出されていた可能性があることが18日分かった。税務署から所得税の修正申告を指導された住民の訴えで発覚した。旧町の職員が虚偽の申告書を作成し、還付金を不正に受け取っていた可能性がある。
少なくとも4人の住民の確定申告が無断で出されているという。書類は当時の町役場から税務署に出されていた。住民側は「自分たちはしていない」と話しており、市は無断作成の経緯を調べている。
地方税法には、確定申告は本人の同意があれば自治体職員が代理で行える仕組みがある。還付金が出ると申告者の個人口座に振り込まれる。虚偽申告された住民の中には、当時、国民健康保険税などを滞納していた住民もいた。住民側から相談を受けていた市民団体「秋田県生活と健康を守る会連合会」によると、4人のうち3人は、所得税6万2千円〜13万3千円が還付されたことになっていたが、還付金を受け取っていなかった。申告書には使ったことがない印鑑が押され、還付金は旧町側により滞納町税に充てられたという。
またこの間、高額な治療を受けていないのに、医療費の控除や未加入の生命・損害保険の控除が計上されていた。