没後120年 ゴッホ展
2月22日(火)〜4月10日(日)
名古屋市美術館
【社会】蜜月「いつまで」 河村・大村流の行方(上)2011年2月8日 朝刊 ◆議会・中京都構想にズレ
6日の「トリプル投票」で、愛知県知事選は大村秀章氏(50)が初当選、名古屋市長選は河村たかし氏(62)が再選された。圧勝した「河村・大村流」は今後どのような影響をもたらすのか展望する。 「トリプル投票」の投開票から一夜明けた7日朝。河村は名古屋市名東区の地下鉄一社駅前で叫んだ。 「次の市議選は絶対に現職に入れたらいかんよ」。傍らで、河村が率いる地域政党「減税日本」の市議選候補予定者3人が通勤客にあいさつを続ける。 河村は、看板政策の恒久減税を認めない市議会の総入れ替えを狙い、解散請求(リコール)を主導した。トリプル勝利の余勢で、3月13日の出直し市議選で減税と報酬800万円を公約する減税日本の新人を大量に擁立。民主、自民など既成政党の「現職」の駆逐をもくろむ。 「日本を変えるには議員の性格を変えないかん」。一切の妥協を許さない。 盟友の大村も4月の県議選に自ら発足させた地域政党「日本一愛知の会」の候補を擁立するが「現職でも一緒にやってくれるなら民主、自民など党籍は問わない」。念頭にあるのは古巣・自民党の県議団からの引っこ抜き。親しい県議に「自民の仲間を助けるノアの箱舟になってもいい」と漏らし、既成政党を打破する河村との違いを口にする。 2人はいずれも元衆院議員。議員特権の廃止にこだわってきた河村は身内の民主党からも「変人」扱いされ、幾度となく挑んだ党代表選では20人の推薦者を一度も集めることはなかった。 一方、エリート官僚だった大村は実務能力を生かし、自民党内の派閥競争をくぐりぬけて厚生労働副大臣などのポストを射止めてきた。 大村をよく知る県議は「議会と対決した河村氏の轍(てつ)は踏まないはず」と期待を込めて話す。 看板政策に掲げる「中京都構想」でも2人には温度差がある。
選挙戦に向け、2人は名古屋市の繁華街で手羽先をさかなに焼酎をあおりながら、戦略を練った。河村が「形はどうでもいいがや」と話すと、連携のシンボルにしたい大村は「そんなんじゃだめだ」と声を荒らげたという。 大村は県と市が合体し「唯一の司令塔をつくる」と、将来的には都で一人の首長を想定する。しかし、市の解体を懸念する河村は「愛知が名古屋になることだってある」とけむに巻く。 トリプル投票は河村・大村連合の完勝に終わった。それは2人を結び付けた動機の一つが消えることも意味する。蜜月ぶりをアピールする姿をながめ、自民県議は「2人の良好な関係がいつまで続くのか」と話す。 これまでも多くの人間が河村に近づき、去っていた。ブレーンの一人だった名古屋大大学院教授の後房雄は政治手法をめぐる違いでたもとを分かち、民間出身から鳴り物入りで副市長に迎え入れた大西聰(さとし)も7日、職を去った。 河村は最近、周囲にこう漏らした。「大村も知事になったら離れていくのかなあ」 PR情報
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