政治【主張】16人会派離脱届 呆れる「権力闘争ごっこ」2011.2.18 03:15

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【主張】
16人会派離脱届 呆れる「権力闘争ごっこ」

2011.2.18 03:15

 極めてわかりにくい行動と言わざるを得ない。民主党の小沢一郎元代表に近い衆院議員16人が会派離脱届を出し、新会派を結成すると表明したことだ。

 岡田克也幹事長は会派離脱は無効だとしており、離脱届は宙に浮いている。

 参加メンバーの代表格である渡辺浩一郎氏は、予算関連法案の採決時に反対する可能性について「あり得る」と認めた。あらかじめ明白な造反行為を想定しているなら、会派離脱ではなく離党すべきだろう。

 会派離脱の理由については、菅直人政権が「国民の生活が第一」の政治理念を守らず「国民への約束を捨て去った」などと説明した。「予算の総組み替えなどはほぼ手付かず」といった政権に対する批判は、これまでの小沢元代表の主張と重なっている。「菅政権は本来の民主党政権ではない」と言い切るなど、政権打倒の姿勢も鮮明にした。

 だが、ムダの排除でマニフェスト(政権公約)の財源を生み出すとのシナリオが破綻したからこそ、マニフェストの見直しなど今後の対応が厳しく問われている。その答えを示さないままマニフェストを守れと政権を批判しても説得力を持つだろうか。消費税増税を批判もしている。政権与党として財政運営への責任意識と自覚を欠いているといえよう。

 小沢元代表への処分に対する反発が行動の背景にあり、政権を揺さぶるのが狙いだろう。これでは党内の足の引っ張り合いにしか映らない。

 そもそも、16人はいずれも当選1~2回で、衆院比例代表選出の議員だ。民主党の看板で当選しながら、このような行動に出ることに正当性はあるのか。

 一方で、予算関連法案成立にメドが立たない中で集団による造反行為が表面化したことで、菅首相の政権運営の行き詰まりは明白だ。首相はこれまで政治とカネの問題にけじめをつけようとしなかったことに加え、マニフェスト見直しと国民への謝罪をいまだに行っていないことを反省すべきである。政権の立て直しはその一点にかかっている。

 いずれにしても、内政外交面で国難ともいうべき課題が山積している。「権力闘争ごっこ」をしている状況でないことだけは明白で、呆(あき)れ果てる。

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