19年ぶり日本国内に新工場、トヨタの決意(下)

節約で採算性確保

 トヨタは宮城新工場で徹底した低コスト構造を確立し、どんな為替条件でも競争力を確保したい構えだ。宮城県は太平洋に面しており、内陸にあるトヨタ工場よりも輸出時の物流コストが少なくて済む。大都市に比べ人件費も安い。

 このほか、宮城新工場は既存工場よりも基本コストを大幅に減らし、採算が取れるように配慮した。車両組立子会社であるセントラル自動車が完全製品の形で車両を生産し、トヨタに納品する形を取り、本社の費用負担は大きく減少した。また、車両を天井からつるして移動させる既存工場とは異なり、床に置いて移動させる方式を採用し、天井部分の設備費用は必要なくなった。結果的に工場への投資費用は40%も抑えられた。

 既存工場は組み立てラインに車両を縦に並べて移動させるが、新工場は必要に応じて横にも並べ、車両の前後部を同時に組み立てられるようにした。このため、組み立てラインの長さや必要労働力を35%削減できた。

 新工場の生産を統括するトヨタの新美篤志副社長は「どんなに劣悪な為替条件でもトヨタが輸出競争力を持てることを全世界に示す。今後トヨタの国内の前工場も生産システムの先進化、低コスト化で、これまでよりはるかに高い競争力を備えた工場として生まれ変わる」と述べた。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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