「ねむの木学園」元職員ら逮捕、宮城まり子さん口座から引き出した容疑

　肢体が不自由な子どもたちの施設「ねむの木学園」（静岡県掛川市）の理事長で、女優の宮城まり子さん（８３）の銀行口座から１５００万円を引き出したとして、警視庁捜査２課は１７日、詐欺の疑いで作詞作曲家広沢憲行容疑者（５７）＝東京都港区＝と、学園の元職員近藤由美子容疑者（５６）＝掛川市＝を逮捕した。

　捜査２課によると、広沢容疑者らが２００８年２月から１０年６月にかけて、宮城さんの口座などから引き出した総額は約５億円に上るとみられる。

　「朝比奈圭」の名前で活動していた広沢容疑者は０２年ごろから、ボランティアと称して学園に出入り。子どもたちが歌ったＣＤの製作費用の支払いを断られると、知り合った近藤容疑者に引き出すよう指示したという。

　引き出した現金は広沢容疑者がプロデュースした歌手のライブ費用に充てていた。近藤容疑者は、宮城さんや学園の口座の管理を任されていた。広沢容疑者は容疑を否認しているが、近藤容疑者は認めているという。宮城さんが口座残高の不足に気付き、１０年７月に警視庁に告発していた。

　逮捕容疑は０９年８月下旬ごろ、都内の銀行に近藤容疑者が宮城さんの署名入りの偽造委任状を提出。宮城さんから承諾を得たように装い、宮城さんの口座から１５００万円を広沢容疑者の口座に振り込み入金させた疑い。

　ねむの木学園のホームページによると、宮城さんは脳性まひの子ども役を演じたことをきっかけに、１９６８年に日本最初の肢体の不自由な子どもの養護施設として学園を設立した。

（2011年2月17日23時40分  スポーツ報知）

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