2010年12月20日 23時54分 更新:12月21日 0時12分
【欧州総局】ブルンジやポルトガル、グルジアなど世界各国でウランの密売などが行われ、核物質がテロリストなど危険人物の手に渡る可能性が米政府関係者の間で懸念されていたことが分かった。内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した米外交公電で判明した。英紙ガーディアンが19日、報じた。
07年6月に在ブルンジ米大使館が出した公電によると、地元住民が米関係者に接触し、コンゴ民主共和国国境沿いにウランが隠されていると情報提供した。住民は数週間後、コンゴ人密輸業者を連れてきてカゴに入ったウランの写真を見せた。
また、08年7月にポルトガル・リスボンの米大使館が発出した公電は、ウランの固まりを売るロシアの退役軍人に関する密告の内容を報告していた。
グルジア・トビリシの米大使館は、昨年8月、ウランの密売をしていると疑われる車両がアルメニアとの国境を通過した事件を報告している。3人のアルメニア人が乗った車が通過する際、放射線の反応があったが、アルメニア人らは「手術で放射線療法を受けた」と言って、税関警備員のチェックをすり抜けた。しかし、車がアルメニアに戻る際、車内を点検すると、車内の服から高い放射線が検出された。しかし、放射性物質は発見されず、放射線を含むものが運ばれた後だった。
また、イエメン政府高官は米外交官に、国の放射性物質の管理が不十分で、テロリストに利用される恐れがあると漏らしていた。今年1月にイエメン・サヌアの米大使館が送った公電によると、政府高官は「イエメンの核物質は悪人のすぐ手の届くところにある」と話していた。米大使館の分析では、低濃度の放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」が大量に作れる量が危険にさらされていたという。その後、放射性物質は米側の圧力もあり、安全な場所に移されたという。