安保理:合意できず…日米英と中国対立

2010年12月20日 11時43分 更新:12月20日 12時5分

 黄海に浮かぶ韓国領・延坪島(ヨンピョンド)での韓国軍の射撃訓練を巡る情勢が緊迫の度合いを高めている。国連安全保障理事会は19日、ロシアの要請に基づいて緊急会合を開いたが、南北双方に自制を求めようとする中国と北朝鮮を非難すべきだとする日米英などの対立で結論が出なかった。一方で韓国軍は20日朝、同日中の訓練実施を表明した。北朝鮮は、訓練を実施すれば「自衛的打撃」を加えると繰り返し警告。韓国軍も、攻撃には反撃する姿勢を明確にしている。

 【ニューヨーク山科武司】ロシアの要請で開かれた国連安全保障理事会は19日、8時間にわたって協議を続けたが合意に至らず、同日中の声明発表を見送った。声明で北朝鮮の責任を明確に指摘したい日米などと、それに難色を示す中国の主張が平行線をたどった。安保理は20日以降も協議を行うとしているが、妥協点を見いだすのは困難な状況だ。

 安保理は19日夕、非公開の公式会合を開いて韓国、北朝鮮双方の主張を聞いた。国連外交筋によると、双方とも相手を非難し合ったという。会合後、ライス米大使は記者団に「今日の議論を踏まえると、事実上溝は埋まらないだろう」と述べ、事態の打開は困難との見方を示した。

 ロシアが示した声明の原案は、北朝鮮を直接非難しないまま、朝鮮半島の緊張をこれ以上高めないよう関係国に最大限の抑制を要請。国連事務総長に、早期に特別代表を南北双方に派遣するよう求めることなどが主な内容だった。

 これに対して日米などは「緊張の原因を作った北朝鮮と、韓国が同列に扱われているのは認められない」と強く反発。11月の延坪島砲撃に加え、3月に起きた韓国軍哨戒艦「天安」の沈没事件を含めて北朝鮮を非難する声明案を、英国案として安保理で示した。

 ロシアは、北朝鮮への非難には軟化姿勢を示した。だが、中国は、北朝鮮の国名はおろか、砲撃事件が発生した延坪島の地名に触れることすら難色を示し続けたという。

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