鹿児島夫婦強殺:地検が控訴へ 1審の裁判員裁判無罪で

2010年12月19日 19時46分 更新:12月19日 22時8分

 鹿児島市の高齢夫婦殺害事件で、強盗殺人罪などに問われた白浜政広さん(71)に対し、裁判員裁判で無罪を言い渡した鹿児島地裁判決について、鹿児島地検は、判決を不服として控訴する方針を固めた。上級庁と協議のうえ控訴期限の24日までに最終決定する。最高検によると、控訴すれば裁判員裁判の全面無罪判決に対する検察側の控訴は2例目になる。

 無罪判決を受け、同地検と鹿児島県警は、殺害現場で補充捜査を実施。16日に地検幹部が上級庁に出向き、地検の意向を伝えたという。

 10日の地裁判決は、現場から検出された指紋などを「犯行時に付着したものであると認定するには合理的な疑いが残る」と判断した。このため検察側は控訴審で、指紋などが事件時に付いたことなどを改めて主張していくとみられる。一方、白浜さんは控訴について「想定していたこと。事件現場に行っていないことを改めて主張していくだけ」と話した。

 裁判員裁判の控訴審について、最高裁司法研修所は09年3月「極めて重要な事実を見落とすなどの事情がない限り、1審の判断を尊重すべきだ」との考え方を示す一方、死刑求刑事案の控訴審に関しては「なお検討を要する」と含みを残している。

 白浜さんは09年6月18日夕から翌19日朝までの間、鹿児島市下福元町の蔵ノ下忠さん(当時91歳)方に侵入し、金品を奪う目的で蔵ノ下さん夫妻を殴り殺害したとして起訴された。白浜さんは一貫して起訴内容を否認している。【黒澤敬太郎、川島紘一】

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