2010年12月19日 19時19分 更新:12月19日 21時16分
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突のビデオ映像流出事件で、ネットへの投稿を申し出て警視庁から任意聴取を受けている神戸海上保安部(神戸市)の海上保安官(43)が海上保安庁に辞職を申し出ていることが政府関係者の話で分かった。海上保安庁は辞職を認めていないという。警視庁は国家公務員法(守秘義務)違反容疑で近く書類送検する方針で、海保はそれを受けて年内にも保安官を処分する方針。併せて、映像の管理責任を問い、複数の部署の関係者を大量処分、鈴木久泰長官も、馬淵澄夫国土交通相が責任を問うとみられる。
警視庁などの調べでは、保安官は「うらなみ」の共用パソコンに保存してあった衝突映像を持ち出す際、禁止されている私物USBメモリーを使用。10月18日には海保内で映像の管理責任者を決め、政府が衆院予算委のみに11月1日に限定公開としたのに、海保の捜査資料である映像を故意に同4日、ユーチューブに投稿したとされる。
海保は政府の限定公開方針にあえて反して一般公開した行為が懲戒事由に当たると判断するとみられる。
また、庁内ネットの使い方を誤り、映像流出を招いた第11管区(那覇市)、海上保安大学校(広島県呉市)、数十人の保安官が映像を見ていた第5管区など、複数部署の幹部らを管理上の落ち度があったとして処分する。【石原聖】