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連続リンチ殺人 元少年3人上告審弁護側「死刑回避を」 検察側「結果は重大」「真の謝罪感じない」 被害者両親連続リンチ殺人事件の上告審弁論終了後、記者の質問に答える被害者の父の江崎恭平さんと母のテルミさん(10日午後、最高裁前で)=小林武仁撮影
大阪、愛知、岐阜の3府県で1994年、4人が相次いで殺害された連続リンチ殺人事件で強盗殺人罪などに問われ、2審・名古屋高裁で死刑判決を受けた元少年3人の上告審弁論が10日、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)であった。弁護側は「精神的に未熟な少年による犯行で、最高裁が示した基準に照らしても死刑は重すぎる」などと述べ、いずれも死刑を回避するよう求めた。これに対し、検察側は「当時19〜26歳の4人を殺害した結果は重大で、少年であったことを考慮しても死刑を回避すべきではない」と述べ、上告棄却を求めた。判決期日は後日に指定される。 この事件で、1審・名古屋地裁は1人(犯行時19歳)を死刑、2人(同18、19歳)を無期懲役としたが、2審・名古屋高裁は「凶悪非道な犯行で、極刑はやむを得ない」として、3人全員に死刑を言い渡した。 「弁護側の主張は2審とそれほど変わりがなかった。2審の判断を、ぜひ支持してほしい」。事件で長男の正史さん(当時19歳)を亡くした愛知県一宮市の江崎恭平さん(66)は、妻のテルミさん(65)とともに弁論を傍聴した後、判決への思いを強い口調で語った。 正史さんは被告の少年らに突然因縁をつけられ、3時間にわたって車で連れ回された後、金属パイプでめった打ちにされるなどして殺された。江崎さんは「事件の真相を知りたい」と、計約150回に上った1、2審の公判の多くを傍聴し、この日も傍聴席の最前列で弁護側、検察側双方の主張に耳を傾けた。 元少年3人の弁護側は、「犯行を主導したのは共犯の少年」「積極的な役割を果たしていない」「従属的だった」と三者三様の主張を展開した一方、死刑の適用については、「当時は未成熟な少年だった」と強調し、回避するよう求めた。 江崎さんは「以前と変わらず責任転嫁が多いが、量刑の差は一切必要ない。死刑にするかは犯した行為によって決めるべき。法律では18歳以上の死刑はあり得るので、回避にはあたらない」と話した。3人からは、1審の途中から手紙が届くようになり、30通に達した被告もいる。弁護側はこうした手紙についても弁論で触れ、「更生可能性がある」と主張したが、江崎さんは「拘置所にいれば、きれいな言葉も出る。ただ、中身からは真の謝罪を感じない」と、険しい表情を崩さなかった。 事件から16年余り。テルミさんは「正史の無念を晴らすため頑張ってきた。一生懸命、判決に向かっていきたい」と静かに語った。 一方、法廷には1、2審とも死刑判決を受けた元少年と10年以上面会を続けている女性(59)の姿もあった。女性はキリスト教信者で、元少年に聖書を渡しに行ったのをきっかけに交流を始めた。被害者の命日が近づくと、元少年の依頼で、事件現場に花や酒を供えに行く。女性は「彼なりに被害者に謝罪する方法を考えているのだと思う」と話す。 これまでの裁判で、遺族が泣き崩れる姿を見て、何度も支援をやめようかと考えたというが、「彼が心から反省し、それが遺族に伝わらなければもっと悲しい」と、元少年を支え続けている。「彼が生き続け、人を思いやることができるようになってこそ償いになるはず。それができる判決を」と願っている。 連続リンチ殺人事件 (2011年2月11日 読売新聞)
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